・10話のスタドラ双子で津デリ
・ものっそい短くておちは脱走






――俺たちはいつも同じものをすきになるじゃねえか



デリックにそう言われたとき、胸の奥を捕まれたように痛かった。
そうだ、俺たちはいつだって同じものを好きになるんだ。いつも同じアイスを、同じプリンを好きになる。だって俺にはあの日からデリックしか居なくて、デリックにも俺しか居なかったから。俺たちはお互いにお互いしか居なかったのにデリックに好きな人が出来て、そいつにデリを取られたくないという焦りが心の中をぐしゃぐしゃにしていた。


だけど初めてだったんだ。
あいつは初めて、デリックと俺の違いを、青い目を褒めてくれた。
大好きなデリの好きな人なのに、俺にとっては敵でしかないのに。



――デリックがいつも津軽の話をしてたよ、その、綺麗な目の色の事も



どうしてだろう、あんな一言だけでどうしてこんなに胸の奥が痛いんだろう。俺はデリックを守ってあげなきゃいけないのに、それなのに、どうして、どうして。
こんなにも、胸が苦しいのは、どうして。



「かたみ、わかちた、やがだんせ、かたみ、わかちた……」



二人だけの物だった呪文を口にする。ねえ、デリ、俺は大丈夫じゃないんだよ、こんなに、つらいんだ。










それは呪いの言葉のよう
(おねがい、たすけて)