・ただのぎしあん





「ふあ……んっ」

「あ………っ、んう」


どうしてこんな事になったんだろうか。俺はただ、淫らに変わってしまった二人の目が覚めれば、今すぐにもここから逃げ出したいのに。



「どしたの? デリ……きもちよくない?」

「ひっ」

「静雄、静雄、デリがきもちよくないって」

「んぁ……っ」



静雄の孔を塞いでいた玩具を抜いて津軽が静雄に何かを耳打ちする。まさか、まさか…っ。焦る俺を知ってか知らずか、津軽に押さえつけられてるために動けない。何で旧型のくせにこんなに力が強いんだよコイツは…!!
仰向けになった俺の上に静雄が跨がる。その目は欲望に溶けきっていて、ゾクリ、と背中を不思議な感覚が襲ってきた。



「やめ……っ、ひっ、あああああああああっ」

「やっあっ、デリの、おっき……ああっ……」



ぐちゃぐちゃと水音と、肌のぶつかり合う音に思考までもがくらくらする。静雄は自分で自分の良いところへと腰を動かしながら甲高い喘ぎ声を上げている。こんな静雄は知らない。こんな、娼婦みたいな静雄は、知らないし知りたくなかった。
静雄に乗っかられて情けなく喘いでる俺を見ていた津軽が、何を思ったのか静雄と向かい合わせになるように俺の上に跨がってくる。何をする気だろう、お願いだからもうやめてくれ、願いは言葉にはならずに喘ぎ声に変わった。



「静雄、静雄のおちんちんと津軽のおちんちん、一緒に気持ちよくなろ?」

「ん、あっ、なる……はぁっ、きもちいくなるっ」

「やっ、やめ……っ」



耳を塞ぎたくなるくらいの喘ぎ声と打ち付ける音、先走り同士が擦れる音に何もかもがどうでもよくなる。気持ちいい、気持ちいい。快感だけが脳内を支配して、何も考えられなくなって、静雄の中に欲望を注ぎ込んだ。
暫くしてから俺の上で擦り合っていた二人も欲望を撒き散らした。どれが誰の精液だか分からないくらいぐちゃぐちゃになった自分の下半身を、静雄と津軽が舐め取っていく。羞恥心や嫌悪感なんてなくて、されるがままの状態で。
荒い呼吸で息を整えて居ると、こんな事になった張本人が部屋に入ってきた。



「……随分と楽しそうだな」

「あ……四木、しゃん………」

「四木さんだ……おかえりなさぁい」

「この…、エロ親父………静雄と津軽を返せ……っ」

「人のペットで遊んでおいてその言い種はないんじゃないか?クソガキ」



髪を掴んで無理矢理顔を上げさせられる。薄く笑う顔がムカついたから唾をかけてやったらベッドに転がっていた玩具を慣らしていない孔へと一気に挿入される。裂けるような痛みに声にならない悲鳴をあげることしか出来ない自分が情けない。ちくしょう、コイツさえ居なければ、静雄も津軽も壊れなかったのに!!



「ぐ、あっ!」

「生意気なガキの躾は早めにしてやらないとな」



普段と何一つ変わらない涼しい顔で笑う男を見て、こいつだけは絶対に俺が殺してやると改めて心に誓った。










ペットと遊ぶ
(愉しい遊び)