・二人は幼馴染み的な存在
・神を喰うゲームから設定拝借
・やってなくてもわかる、はず






―また殉職者って……最近多いね

―どうせまた死神の相方だろ?

―怖ぇよな、アレと組むヤツは絶対何かあるからな…

―その前は、意識不明だったよね

―ったく…次は誰が犠牲になるんだか







突如現れた謎の生物「アラガミ」によって世界は食い荒らされ始めていた。
そしてそのアラガミに対抗する唯一の武器、「神機」を携え闘う者達の事を、人は「ゴッドイーター(神を喰らうもの)」と呼んでいた。

それはこの池袋の街でも同様で、いつ襲撃されるか分からないこの状況で、人々は彼らに最後の望みを託す他にはなかった。


「また、君の相棒が奇襲にあったみたいだね」

「…………ああ」

「今月に入って5人目だね」


池袋で「死神」と呼ばれる少年、平和島静雄は一見するとただの大人しい青年だ。
その外見に反し神機使いとしての実力は計り知れなく、底無しに強い。

しかし、彼が死神と呼ばれる所以はその強さだけに非ず――彼とチームを組む人間が、必ず悲運な末路に逢う事からだ。
意識不明者であったり、意識さえあっても前線に戻るよりも前に、日常生活が困難になる者。…そして殉職、つまり死ぬ者も居た。


"平和島静雄の相棒は死ぬ"
それはこの池袋での暗黙の了解。

池袋の神機使い達にとって、彼の相棒になるという事はある種の死刑宣告のようにさえ、認識していた。



「俺、その彼の後任になったよ」

「……………」

「やっと、一緒に闘えるね」

「………んで……」

「ん?」

「何で、断らなかった。臨也…お前が死んだら、アイツらどうすんだよ!!」


俺のせいで、みんな死んだんだ。
最強と言われながら相棒の命さえ守れない俺は、――皮肉なんかじゃなくて死神そのものだ。
だからこそ、強くならならなくちゃいけない、全てを守れるくらいに、強く。




「俺が頼んだんだよ」

「っ…?なん、で…」


死にに行くような真似すんじゃねぇ、と今にも泣きそうな顔で訴える。
池袋の「死神」は馬鹿なくらいに優しい事を俺は長い付き合いで知っている。

彼は優しすぎるのだ。



「シズちゃん」

「…………」

「大丈夫。俺は死なないから」



そう、「俺は」死なない。

今までの奴等と一緒にしないで、心配しなくて良いよ。これからは俺達二人で闘うんだから。
全てを抱えて生きて行くには細すぎる両肩を抱き締めると、弱々しく俺のコートを握りしめ、ごめん、ごめん。と譫言のように繰り返しながら泣き出した。





ごめんね、本当に謝らなくちゃいけないのは、俺なんだ。




だって、あれくらいで死ぬような雑魚共が俺のシズちゃんと背中を合わせて闘うだなんて、許せなかったんだ。



















虚像の死神
(本当の死神は俺だ)