・ついったーのbot、pdhrさんとシズビッチたんのエアオンリー
・ペドフェリアな折原とビッチな静雄
抱いてくれと言った。俺の愛する静雄くんと同じ名前で似たような顔だけれど、目の前の男は違う。まず決定的なのがこの男の年齢が二十歳を越えている事だ。俺は所謂ペドフェリアであって、一桁…つまり十歳以下に性的興奮を覚えるという事だ。簡単に言えば十歳以下にしか勃たない。そしてこの目の前の男は快楽に忠実で色んな男と性交渉をしているらしい。二桁なだけでも嫌悪するのにビッチだなんて反吐が出る。実際にこのクソビッチは何度も俺にも襲いかかって来たんだが如何せん俺は二桁には勃たない。
抱いてくれと言った。顔を見ると萎えるなら目隠しをすればいいと目隠しをして抱けばいい、声が聞きたくないなら耳詮をしても良いから抱いてくれ、と。オナホールだと思えばいいと、彼は言った。そして彼は人の上に乗っかって来た。確かにそれは穴としては極上だったのだが、惜しむべきはそれが俺の愛する幼い静雄くんの穴ではない事だった。
悪態の一つや二つくらいは許されるだろうと思った。だって俺は被害者な訳で、この行為自体が罰ゲームのようなものだったから。だからいつも以上に罵倒しようと思ったのに何も言えなかった。「ありがとう」と笑った彼奴の笑顔が泣きそうで、それなのに嬉しそうだったから。
それ以来彼奴と俺の遭遇は一気に減った。避けられていると気付いた時には何故かイライラして、わざわざ俺が池袋にまで出向いてやった。本当に感謝して欲しいよ、他人に労力を費やすのは静雄くんだけで充分なのに。どうして俺はあのビッチ野郎の為にこんなに躍起になっているんだろうか。
俺を見付ければ少し気まずそうに目を逸らすのがイライラする。被害者は俺だよね?あんな事したからかと思ったけれどそうではなさそうで。俺はイライラを隠さないまま目の前のバーテン服の男に話し掛けた。
「身体を売るのは辞めたんだってね?」
「…別に、元々売ってた訳じゃねえよ。向こうが勝手に金を置いてくからで」
「じゃあ何で辞めたの」
君は死ぬほどセックスが好きだったじゃないか。と言えば黙り込む目の前の男に更にイライラする。また泣くのだろうか、自分を悲観して泣く事しかしないで変わろうとしないコイツが俺は大嫌いだ。自分を省みずに可哀想な俺を愛してくれとだけ願望を口にして泣くのは愚の骨頂だと思う。
いや、本当はどこかで同じだと思い込んでいたのかもしれない。俺達にはそれぞれどうしようもない欠落を抱えていて、それは俺もこの男も同じだと勝手に思い込んで居たからなのだろうか、泣かずに俯くだけの男が俺の知っているそいつではないような錯覚に陥る。焦燥感が支配する。何故?何故俺はコイツが離れていくような感覚を、無性に怖いと思っているんだろうか?
「お前には関係ない」
「人の事を逆レイプしておいてよく言えるよね、あれ普通に強姦だよ?」
「…………好きな相手じゃなきゃ意味がないって、気付いたから」
抱いてくれと言った。俺は目の前の男の視界も音も塞いで上に乗っかった。確かにコイツの言う通りそれは逆レイプのようなモノだった。ペドフェリアな彼奴には俺には勃たないから薬を使って、そこに愛なんて1mmも存在しない、ただの性欲処理。
それでも俺は満たされた。今までしたどんなセックスよりも気持ちよくて、泣きたいくらいに嬉しかった。それと同時に気付いた気持ちには蓋をして。
こんな俺を辛い恋をしていると普通の人間は笑うんだろうけど、別に彼奴が俺を想わなくても幸せなんだ。あのガキを想う彼奴が笑っていれば俺はそれが幸せなんだ。綺麗事なんかじゃなくて本当に。
俺達はあまりに歪過ぎるから、これは恋愛なんて可愛らしいものじゃないと必死に言い聞かせたから。だからそんな顔をすんなよ、せっかくの俺の決意が揺らぐだろ?
こんな俺が誰かを好きになって、愛したり愛されたりされるなんてやっぱり有り得ない事だったんだ。
ごめん、ごめん。ありがとう。
じわりと広がる胸の痛みを誤魔化しながら俺は強がりを笑顔に変えた。
純粋で綺麗な恋だった
(似合わないくらいに)
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