・原作8巻ネタ





「俺は犬派なんだよ」

「………頭に猫乗っけてるヤツに言われてもなぁ…」



そう呟けば少しだけ不満そうに睨まれるが殴ってこないと言うことは猫が嫌いな訳ではないんだろう。
猫の集会、とやらは本当にあるみたいだ。たまたまその現場に出会したらしく何故か頭に猫を乗せた静雄に果敢にも声をかけたのは狩沢だった。



「門田さん静雄さん、猫耳美少女はいいっすよー、テンプレ且つ新鮮、けもみみ万歳っすよ!」

「でもさぁゆまっち?猫耳美少女はたくさん居るのに猫耳美少年ってあんまりないんだよね、大人になると取れちゃうヤツくらいしかメジャーじゃないんだよ!」

「狩沢さん大丈夫っす!天弧空幻なら可能性は広がるっすよ!」

「ゆまっちそれは狐だよー?」



すぐに二次元に結び付けたがる二人の会話が盛り上がっていく。正直途中から何言ってんのかさっぱり分からんが、突っ込む事もめんどくさいから放置することにした。
その間にも増え続ける猫達。



「門田…すげえな」

「何か知らんがよく寄ってくるんだよな…嫌いじゃないから良いんだが」



猫会議はどうやら俺たちを巻き込んで開催されているらしい。良い歳して猫に群がられるってのも何かシュールだよなぁ…とぼんやり考えていると徐に静雄が近付き、首筋に顔を寄せてきた。



「ーっ!?」

「静雄さん?!」

「ちょっ!シズちゃん何してんのとりあえず写メるから動かないでえっ!」



そのままの体制で俺を見上げてくる静雄は、何と言うか…、アレだ。
俺より静雄の方が身長があるためにあまり見ることのない静雄の上目遣いは…、狩沢や遊馬崎の言葉を借りればこれが「萌え」ってヤツなんだろうか。それくらいの破壊力がある。



「何か、猫の好きそうな匂いでもするのかなって思って」

「……そ、そうか」

「んー…、でも猫の好きそうな匂いとか分かんねえけど」



「良い匂いはする」と言って離れた静雄を確認する。猫達は既に解散していて自分の住処へと帰ってしまっていた。
俺はと言えば顔の熱が引かなくて情けない顔をしているだろうし、何より静雄の顔が見れなくて俯くしかなかった。










猫も食えない何とやら
(とりあえず写真は消せ)