・捏造来神時代




衣替えも終わって季節は夏に向かう。
初夏に相応しい気温を記録した今日は、一足先に真夏日らしい。プール開きもまだまだ先に控えたこの時期に季節を先取りをされても困る。
無駄に暑くてしょうがない。



「あんなん初めて見た…すげえな」

「中学とかでなかったのか?」

「んー、あんまり覚えてねえや」



ほのぼの、を絵に書いたように話す二人に嫉妬している訳じゃない。俺はそんな心の狭い男じゃないし、第一シズちゃんとかマジでありえないくらいに嫌いだし?



「高校生にもなってスプリンクラーにはしゃぐだなんてシズちゃんもガキだよね」

「っ!うるせえ!」

「犬みたいに水を追いかけてたのは見てて面白かったけど?」

「………っ、」



にやにやと自分でも分かる嫌な笑顔を向けてやれば、そのままそっぽを向いてしまったシズちゃんの首筋にまだ少し濡れた髪の毛から水滴がぽたぽたと滴り落ちていく。
なんていうか、うん、その。



「静雄お前そのままじゃ風邪ひくぞ」

「ん、あー…めんどくせえ」

「しゃあねえな、ほら」


「ひゃっ、はは、くすぐって、え」

「暴れんなよじっとしろ」



わしゃわしゃとシズちゃんの頭をタオルで拭いていくドタチンのこの状況は宛ら飼い主と犬…いや親子に見えなくもない。
手のかかる息子と肝っ玉母さん…あ、でもドタチンは男だからお父さん?何でも良いや、別にドタチンがトップブリーダーだろうが母親だろうが父親だろうがこの際関係ない。
俺は素直な疑問をぶつけた。



「…ドタチン男性器大丈夫?」

「俺はお前の脳内が心配だよ」



人が純粋に心配してあげたのに可哀想な物を見るような目で溜め息をつくドタチンが俺には理解出来ない。酷くない?
だってドタチンってばシズちゃんの霰もない半裸を目の前で見てて何にも起こらないの?気持ち良さそうに目を細めるシズちゃんの表情とか何かもう色々とヤバイでしょ!主に下半身が!!

戻って来た新羅にそんな事を溢したら新羅まで可哀想な目で見てきたとか何なのもう。別にシズちゃんの事とか好きじゃないってか嫌いだけど、あれだよ。










本能には忠実に
(至って正常だよ!)