・吸血鬼パロ
・傷物語から設定だけ拝借
・静雄の外見年齢が10歳くらい
食欲と性欲は紙一重とも言うならば、こうして捕食される事は性交に通じる物があるのだろうか。
首筋に残った痕をなぞりながら首輪みたいだな、なんてぼんやりと思った。
「―痛いのか」
「別に?まぁ、ちょっとだけくらくらはするけどね」
血が足りないから仕方ないよ、と軽く笑う俺に、目の前の少年の顔が歪んだ。
「だから…俺を殺せよ」
「早く…殺してくれ」
悲痛な声を上げる金髪の少年。曲がり形にも元々は怪異殺しと恐れられた吸血鬼――、彼を殺せるのは今や、彼に血を分けられ従属となった、俺だけ。
限りなく人間に近い元吸血鬼
限りなく吸血鬼に近い元人間
俺達はどっちつかずの中途半端な存在に成り下がった。それこそが俺達の背負った罪と罰。俺が彼に背負わせた罪と罰。
「シズちゃん、俺はね、シズちゃんに生きてほしいんだ」
「だから君を助けたりなんかしない」
今にも泣き出しそうに歪む少年の金髪の頭を撫でる。――それは確かに、「服従の証」だった。
共有する罪
(逃がしはしない)
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