精一杯の笑顔で

だってオンナは目聡い生き物だから微妙な変化にも敏感になる。
それが好きな人なら尚更で...それでも邪魔するプライドの所為で自分から切り出した。

「もう終わりにしようね赤也」
「.........え、」

私ばっかり好きなのは嫌。
少しでも傾きつつある感情がそこにあるなら...それだけで私のプライドは傷付く。
強く、強くありたいから、弱いだけのオンナは嫌だから。

「ばいばい」

たった一つの年の差だけど泣いて縋るようなことはしたくない。

今出来る精一杯の笑顔で告げたサヨナラ。
彼は、私を追い掛けてくれなかった。


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