赤に染まっていく ヒロトが病んでます。 俺の髪の赤がきれいだっていつか君が言った。俺も赤は好き。それが君の赤ならなおさら、ね。 「ほら、きれいだよ…」 ナイフを滑らせた箇所から、君の真っ赤な血が止めどなく溢れ出す。君のきれいな肌を伝っては、その肌を彩っていく。 この血が君を生かしてるんだね。大好きな君を。 「君の全部を愛してるよ」 この血の一滴まで。 どんどん流れ出ていく血が勿体無く感じられて、この身に取り込もうとそれを舐めとった。 だけど傷口を舐めても、俺の口内に鉄の味が広がるだけでこの血は止まらない。 君の身体が赤に支配されていく。 ああ、君は生きているんだね。 「どんどん赤に染まっていくね。俺の髪と一緒」 全部全部全部全部染まれば、君は俺色になるんだ。 もっと、もっと―。 「俺は君の全てを愛せるから」 だから全部俺にちょうだい? 君の笑った顔も、 怒った顔も、 泣いた顔も、 幸せそうな顔も、 苦しむ顔も、 全部俺だけのもの。 全部大好き。 君の命まで支配したくて、細い首筋に指を食い込ませればそれはとても脆くて、頼りないものに感じた。 なぜ君はこんなにも美しく、こんなにも愛しいんだろう。 「好き」 「好きだよ」 「好きだよ、円堂くん」 取り付かれたように愛を囁く。 ああ、この瞬間俺は生きている。 「ねえ、円堂くん」 「君はどう?」 今の俺は君にどう写る? -------------------------- ヤンデレヒロトが書きたかったんですがうまくいきませんでした;; ← |