ひとりじゃない いやだ、アツヤ、いかないで。僕をひとりにしないで。僕にはアツヤが必要なんだ。ねえ、僕を嫌いにならないで。放れていかないで。おいていかないで。アツヤしかわかってくれないよ。僕は、僕は、さみしいんだ。さみしくて苦しいよ。アツヤ…、アツヤ…! なあ、また泣いてるのかよ。…泣いてないって?泣いてんだろ、お前。俺はお前のこと、なんでも分かるんだよ。涙が流れてなくたって、お前は泣いてる。いつだって泣いてる。俺を想って泣いてる。ずっといるから、だから泣くなよ。大好きだぜ、士郎。愛してる。もう、お前はひとりじゃないんだ。俺がいるから。 僕は目を覚ます。僕の目には高い天井と、誰もいない部屋。誰もいない、誰も、いない。 今までは目が覚めればお母さんがご飯を作ってくれていて、お父さんがおはようって言ってくれる。それから朝が弱いアツヤを起こしにいくんだ。毎回アツヤは、眠いよ兄ちゃんってなかなか起きてくれないんだ。僕はそんなアツヤをやっとの思いで起こして、一緒に、サッカーをするんだ。いつも僕の隣にはアツヤがいた。アツヤといると楽しくて、毎日が輝いてた。幸せだった。 だけど、そんな幸せも真っ白な雪にのまれて消えた。 僕の前には、真っ黒な絶望しかなくなった。 「アツヤ、今日は何をしようか」 『サッカーやらねえのかよ?』 「僕は今日スノーボードがしたいな」 『だったらすればいいだろ』 「ふふっ、ごめんアツヤ。サッカーやろうか。アツヤはサッカー大好きだからね」 『士郎だって好きだろ』 「うん、僕も、アツヤが好きだから好き」 僕はひとりじゃない。『君』がいるから。 -------------------------- 私何が書きたかったんだ(笑) とにかく士郎とアツヤが好き。 ← |