その眩しさに負けないように


「お前、ちゃんと笑えるようになったな!」

このキャプテンの言葉は唐突だった。だけど、その分的を得ていて僕は一瞬心臓が止まった。


だって、僕はきっと昔笑えていなかったから。


あの頃の僕は完璧を追い求めて、ただ強くなりたかった。自分を追い詰めて追い詰めて、心が疲れ果ていて。そんな僕が本当の意味で笑えていた筈がない。だけどその分、作り笑いは完璧だった。
誰かに大丈夫かと問われれば、大丈夫と作り笑顔を浮かべる。
他人に心を開くのが怖かった。みんな僕の才能を必要としているんだと思ってた。誰も僕を"吹雪士郎"として見てくれないと思ってた。

僕は、誰にも気付いてもらえないと思っていたけど、ちゃんと、見ててくれていたんだね。見守っててくれたんだね。



「ねえキャプテン。僕、今幸せだよ」


アツヤはいなくなってしまったけど、もう戻ってはこないけど、僕はアツヤとひとつになった。今も僕の中でアツヤは生き続けている。大好きなアツヤ。僕を守ってくれるアツヤ。誰よりも強いアツヤ。僕の大切な、弟。
今までも、これからも、ずっと僕たちはひとつだ。


そして今、僕にはたくさんの仲間がいる。雷門のみんな、イナズマジャパンのみんな、白恋中のみんな。みんなが僕を支えてくれる。認めてくれる。どうして僕は気付けなかった?それは昔から変わらないことだったのに。


「そっか。よかったな吹雪」


そう言ってキャプテンは笑う。
昔はキャプテンのその笑顔が眩しくて仕方なかったけど、今ならちゃんと見れる気がする。

その眩しい笑顔に負けないように僕も精一杯、笑う、笑う、笑う。


僕はキャプテンの強さが羨ましかった。だけどキャプテンは強いんじゃない。みんなに頼ることを知ってるんだ。みんなに頼られることを知ってるんだ。その本当の意味を。
キャプテンはいつだってみんなを見てる。だからみんなもいつだってキャプテンを見てる。


君はいつだってみんなのキャプテンだったんだね。



そして、僕にとっても―。



ねえ、どうか、この僕が隣に立つことを許してくれるかい?



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吹円ぽくなりました;;問題ありませんが。
ちょっと文の書き方をいつもと変えてみようと思ったらいつにも増して意味不明になりました。
要するに、円堂くんは眩しいってこと!


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