「…何、何て?」

「…だからお前にうちは一族再興の手助けをして欲しいと言っているんだ。」

アジト内サスケの自室。

「…うん、そうだよね。聞いた。」

「舐めてんのか、お前?…なら…さっさと、」

返答が気に入らなかったのか、サスケは顔をしかめる。

そして、先ほどからサスケに引っ張られていた服に、さらにぐっと力が込められ、危うく脱がされそうになった。

「…うわわ…!いや、おかしい!何でうちは一族再興する宣言して、あたしの服を脱がそうとするの!!」

「再興し、一族が繁栄していくには子孫を残さなけりゃいけないだろ?」

ニヤリと笑いながら言うサスケ。

本当はただヤりたいだけなのではないだろうか?

全くこの年頃の男というのは性に対して好奇心旺盛だと聞くが、目の前のサスケもその中の一部に入っていると思うと、なんだか笑えてくる。
普段は何事にも無関心であんなにクールなサスケが、だ。

「欲求不満なんだね。まぁ、気持ちが分からなくもないけど…実践に移すつもりはないね。」

「お前ってやつは…。オレがそんな風に見えるかよ?」

「見える見える。クールな表情の裏に隠された秘めたる感情ってやつ。」

我ながらカッコいい言葉で説明してみたが、言っている内容は良く考えると大した事はない。
これもまたしょうも無さすぎて笑えてくる。

「…………。」

「結局のとこ、そう何でしょ?」

サスケは図星を突かれたようで黙りこんでいる。

「確かに、一族の繁栄は人が沢山いてこそ成し得ることだけど、別に今すぐにって事でも無いと思うし、大体あたしじゃなくても…、」

「…うるせェんだよ。」

「………は?………ッ!!」

次の瞬間。
サスケがいきなり唇を奪うものだから、すぐに酸素が足りなくなって、突き放すようにサスケの胸元を押した。

「はぁっ……何す「欲求不満の何が悪い。…惚れてるオンナが目の前にいて、男は黙っていられるとでも思うか?」

サスケは開き直ってきた。
しかも、なにげにカッコよく告白までしてきた。

「それに、だ。真面目な話、一族再興を成し得るにはお前が必要だと思っている。」

「……………。」

真剣な顔でそんな事を言われたら、言い返せなくなってしまう。

「つまるところ、お前とヤりた「ウスラトンカチ。」

真剣な話になってきた時。
サスケが如何わしい発言をしようとしたので、自分の中のクールなサスケイメージ崩壊防止も兼ねて途中で言葉を遮った。

「………オレの名言取るな。」

「おっと申し訳ない。一度言って見たかったんだよね。」

「…もういい。仕切り直すが、オレの子を生ん「あ、マダラさんに呼ばれてたの忘れてた。…じゃ!」

妖しい雰囲気漂うこの場から退散したくて、瞬身の術を使おうと印を結んだ。

しかし、サスケにある事実を突きつけられる。

「何やってる。…お前瞬身使えねェだろ。」

「……うるさいっ…!」

そうだ使えないんだ。
サスケがやってたの見てたら、自然と自分も出来る気がしてたのに。
気がするだけじゃ、駄目だったりするのか?
いや、するんだ。
ああカッコ悪。

「逃げんな。」

仕方なく徒歩でその場を去ろうとしたら腕を捕まれた。

「…まだ話終わっちゃいねぇよ。」

さっきよりも妖しさ倍増の笑みを湛えてサスケはそう言った。

良く考えれば、瞬身の術ができたとしても、このサスケから逃れられないだろう。
目が本気だもの、目が。

その後、サスケのうちは一族再興計画のお手伝いをすべく、彼に啼かされたことは言うまでもない。