【窒息するまでキスして】


なまえが好きだ。愛している。言葉でいい表せないぐらいにそれはもう愛してる。誰にも触れさせたくない。見せたくない。愛しい愛しいなまえはオレに抱かれ目を閉じ規則的な呼吸を繰り返す。

その安心しきった寝顔にオレの中の理性の鎖は外れかける。無防備もいいところだ。傍らにお前を愛するあまりに、殺めて閉じ込めたいと願う奴がいるというのに。

ああこんなお前の可愛らしい姿を見れば見るほど殺したい。その首筋をきつくきつく締め上げてやりたい。苦しさに歪むお前の顔程美しいものは無い。考えただけで身体中がゾクゾクとしてくる。

高い位置にたった一つだけある小さな窓から月明かりが細く射し込んできて、なまえの肌を妖艶に照らす。その美しさにオレはごくりと唾を飲み込む。ますます殺してやりたい。

どうせならお前の真っ赤な血もみてみたい。そうだ舌を噛みきってやってもいい。なまえの小さな舌で一生懸命にキスをする姿は可愛らしかった。

「ん、サスケ…。」

抱き締めていたら、苦しさを感じたらしくなまえは目を覚ました。大きく黒い双眼がオレを捉えて離さない。寝て起きたばかりだというのに意識ははっきりしているらしく、すぐにオレの事を抱き締め返してきた。そんななまえはオレがお前に抱いている危うい感情など知るよしもない。
触れる度、目を合わせる度、交わる度狂おしい程に愛しくて仕方ない。

「サスケ、愛してる。」

「ああ。オレはお前が思う以上にお前を愛してる。」

「……嬉しいっ。」

どちらともなく唇を合わせれば、身も心もお互いに侵されてゆく。舌を絡めとり、お前が酸素を欲しもがいても離すことはない。なまえの後頭部をしっかりと手で抑えつける。
このまま息の根を止めてやりたい。ああもうだめだ、なまえを愛し過ぎてオレの頭はきっとぶっ壊れてやがる。マトモな思考すらできない。でも、それでいい。今のオレがなまえへ向ける最大の愛情であるから。

今宵も闇に紛れて狂気が滲む。

するまでキスして


あとがき

狂気じみてるサスケくんかっこよし!