※ヒロインが悪魔


なまえはメフィストから呼び出しを受けて、正十字学園の最上部の彼の邸宅まで来ていた。
部屋のドアをノックして開けた瞬間、腕を引っ張られ、その衝撃でバランスを崩して身体は部屋の中へと吸い込まれた。
そして誰かに抱き止められて、固く瞑った目を開けると、鼻と鼻がくっつきそうなぐらいの位置にメフィストの顔があった。

「今晩は、なまえ。」

「うわっ…メフィスト!」

「おやおや、塾長である私を呼び捨てにするとは、塾生として躾がなっていませんねぇ。」

「…っるさい!まず腕を離して。」

「いやです☆」

なまえの腕を掴むメフィストの手の力は弱まるどころか強くなった。
ニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべているメフィストになまえは全身に悪寒が走った。

「なまえ、私が今日どうしてここへあなたを呼んだかはもう分かりますね?」

「………。」

無言のまま俯いていると、メフィストがひょい、となまえの身体を抱き上げた。
そして、いつも座っている椅子の方まで移動して、そのまま腰かけた。
なまえはメフィストの膝に跨がり彼と向かい合う状態となった。

「やだ、帰る!」

「観念なさい。」

「………っ!?」

なまえは膝の上で暴れていたが、メフィストにがっちりと腰を手で掴まれ身動きが取れなくなる。

「いいですかなまえ、悪魔の尻尾は、悪魔の急所の一つです。それを公衆の面前で晒すなどもってのほか。」

「…………む。」

「今回は運良く誰にも気づかれませんでしたが、全く不幸中の幸いです。もしもバレてしまったらあなたは学校にも塾にも行けなくなってしまいますよ?第一、あなたが物質界に興味を持ったというから私は………、」

「…………ん。」

延々と続くメフィストの説教を聞いているうちに、だんだん眠くなってきてしまったなまえ。

自分の膝の上で前に後ろにフラフラとしていているなまえの姿を見つめるメフィストはため息をついた。
そして次の瞬間、彼女の腰を掴んでいた手の片方で彼女の悪魔の尻尾を探り当て、しゅるりと引っ張り出す。

「ぅにゃっ!!」

それと同時になまえは目を見開いた。

「これが何故急所と呼ばれるのか、あなたは全く分かっていないようなので、今身体をもって教えて差し上げますね。」

メフィストがきゅっと尻尾を掴む手に少しの力を加えると、なまえの表情と声が俄に色づく。

「んあ…っ、メフィスト…わかった…から、もうやめっ!」

「この程度、理解したうちに入りませんな。」

そう言ってメフィストは楽しそうになまえの悪魔の尻尾を弄ぶ。
一方なまえは、全身の力が一気に抜けてしまいメフィストに身体を預ける形になっている。

「ふっ……あぁっ。」

「おや、責められて欲情でもしましたか?」

真っ赤な顔をしてメフィストを力無く睨むなまえに対し、彼はおもしろいものでも見るかのように口角を上げた。

「メフィストのバカッ!!こんなの絶対に…許さな、いっっ!」

「ハッハッハッ、何とでも。」

「もう、離してッ!……はぁっ………あぁん!!」

「どうですか、なまえ?悪魔の尻尾は性感帯になりうるのです。私はあなたのこんな姿、他の男に見せたくはない。だから、軽々しく晒してはいけないのです。」

「………め、ふぃ…すとっ。」

力の入らない身体を無理矢理動かし、この体勢から脱出しようと試みたなまえだったが、メフィストに尻尾を掴まれたまま抱き寄せられてしまう。

「まぁそれはさておき、なまえの可愛い喘ぎ声を聞いていたら私まで欲情してしまいました。だから、ホラ!」

「いや、やめて、やだやだ助けて誰かぁああ!」

「今日はここへ泊まっていきなさい。」

服を脱がしにかかるメフィストに、なまえは必死に抵抗を見せたものの結局その後ベッドに組み敷かれる事となった。

その日からなまえは自分の悪魔の尻尾に細心の注意を払い、厳重に隠すようになった。
どうやらメフィストの教えが身に染みたらしい。






あとがき

青エク熱ヤバいです(笑)
悪魔兄弟が可愛くて見る度とろけそうになってます。んで尻尾掴んだりしたら感じるの萌えェ!とか考えてたらこうなった。
ってな感じで、青エク夢はじめます!