「ま、また負けた。」
「おや、なまえは弱いですね。これならまだアマイモンの方が戦い甲斐があったものですねえ。」
メフィストさんは、そう言って、ぷくくくっと笑った。楽しいですよ、と彼に誘われてゲームをしたはいいけど、手加減をしてくれないのでだんだん悲しくなってきた。メフィストさんてば、紳士だとか言ってるけど、こんなんじゃ全然紳士じゃないじゃないの。もういい帰る。メフィストさん特注メフィストピンクのコントローラーを彼に投げつけ、部屋を出ようとすると、ガシッと肩を掴まれた。何何何なの。振り返って、メフィストさんを睨むと、それはそれた楽しそうに笑っていた。ああイライラするじゃない。
「忘れてもらっては困りますな。」
その言葉に、私はゲームが始まる前にメフィストさんが言っていたことを思いだした。
「私が勝ったら、覚悟しておいてくださいネ☆」
ああ、あれか。……いやいや、覚悟ってなんだ!?何をどうしたらいいんだろ。そんなことよりも、負けた悔しさが勝っていて深く考えてなかった。
「なまえ、こちらへどうぞ。」
腕を引かれ、どピンクのソファーに座らされる。どこかわくわくしているメフィストさんに対して、私は手に汗を握っていた。メフィストさんは、指を鳴らすと、ポンッ、という可愛らしい音と共にピンクの煙に包まれ、次の瞬間には割烹着姿になっていた。今から何か料理を作るのだろうか。彼の意図が読めない私は、眉を寄せてそれをじっと見つめていた。さらに、帽子の中から出てきたのはホイップクリームの袋。益々何が起こるのか分からない。
「お、お菓子か何かでも作るの?」
「はい、まあそんなところですね。それでは、なまえ、脱いでください。」
こいつ、本格的に紳士じゃない。こんなイタイケなレディに対して脱げだなんて、思考回路どうなってるの。信じらなんない。
「変態の他の何者でもないね。何がしたいの?」
「この生クリームをなまえにたっぷりかけて、食べようかと。」
おかしいな。たかがゲームで負けたくらいで、どうしてそんな辱しめを受けなくちゃならないのだろう。獅郎さんところに助けを求めに行こうかな。鍵を使えばすぐだし。
私の顎を片手で掬うと、妖しい笑みを湛えるメフィストさん。やばいこのままじゃあ本当に食われる。
「さあ観念なさい。」
ポケットの中にある鍵を必死に探るが、見つからない。
どうしよう、部屋に置いてきたのか?絶対絶命の危機ってやつだ。
to be continued...
甘ったるくてくらくらあとがき
メフィストさんによるレベル高い生クリームプレイを詳しく現場実況したいから、前編と後編に分けましたm(__)m