※ヒロインが攻め
――――――♪
「……なんだよ。」
『うわ、サスケくん、なんだよは無いでしょなんだよは!』
静かな日曜の朝、けたたましい携帯の着信音が鳴り響き目を覚ます。
ディスプレイに表示されているのは、オレの彼女の名前だった。無視して二度寝をしたいのだが、居留守を使うのはオレの中の良心が許さないらしく、それが手を携帯へと導いてしまった。
まだ朝だというのに、なまえはテンションがもうだいぶ上がっているらしく、覚めた声で応答すれば相変わらず無愛想だねと言われた。まったく寝起きは機嫌が悪いんだとあいつには何度も言ったはずなのだが。
「…うるせぇ。」
『まぁいいや!あ、今からサスケん家行くね!……覚悟しておくがよい。』
「…おう。…は……え?」
『じゃ!』
「ちょっと待てバカ!」
プツン。なまえが不吉な一言を残し電話をきった。あいつ、自分から電話かけといたクセに、自分から切るだなんて失礼極まりないぜ……じゃなかった。今からなまえがオレの家に来る、だと!?
一大事だ。何がって?……だってアイツは。
跳ねるようにベッドから起き上がったオレは急いで身支度に入る。
いつもは水でさっと直る寝癖が、今日に限って何度も立ち上がってくるのがとてつもなく憎い。
ピンポーンピンポーンピンポーン!
インターホンが三回も鳴った。絶対なまえだ、間違いない。あいつは何故か決まって三回もインターホンを鳴らす。
まずい、もう来やがったのか。早いだろ、電話きってから数分もしてない。
独り暮らしのオレの寝るときの格好はパンツ一丁だったりする。
洗面所を出たオレは着替えを取りにタンスのある部屋へと駆け込んだ。その時、ガチャリとドアノブが開けられる音がした。
ああもうオレ終わった。
「サスケくーん、おっはよー!」
「は、はぇーな。」
なまえが容赦無くオレの家へと侵入してきた。
そしてオレを見るなり目を輝かせ抱きついてきた。
「うわぁああーっ!」
「なっ…!」
「なになにーっ?サスケくん、言った通り覚悟して服脱いで待っててくれたのー?」
「は、ちが……。」
「いい子。ふふふ。」
その一言にオレは氷ついたように言葉を無くした。
「サスケくんはあたしの可愛い可愛い下僕なんだもんねー?」
「お、おい!」
抱きついて首に回された手。オレの首筋に顔を埋めると、ちょうど鎖骨の辺りを一舐めして、吸い付いた。
オレを見上げたなまえの目の輝きの色が変わる。
突然オレの下半身へと伸びたなまえの手にビクリとしてしまう。なんて格好の悪い。
「あっ……う、はな、せ…!」
「あたしに向かって命令口調だなんていい度胸してんじゃないの。ねぇ?」
ニヤニヤと怪しい笑みを浮かべているなまえ。
こうなってしまったらもうどうしようもない。
「……やめ……今オレは、…。」
「起きたばっかだなんて理由にならないからね?ほら、楽しませてよ。」
「あ………ぁあっ!」
何を隠そうなまえはドがつく程のSだ。
こいつの趣味に合わせてやったら最後。認めたくもないが己の中に宿るM気質に目覚めてしまう。
初めてなまえが本性を露にしたときは相当驚いた。しかし今となってはなまえからの行為の中に、これも認めたくもないが悦びを見出だしてしまうまでになっていた。
「ふふふ、サスケくん淫乱なのー。」
「ば、かッ……!」
それでも彼女を側に置いておきたいと思うオレはなんなのだろうか。
そんな事をぼんやりと考えながら、なまえから与えられる甘い刺激に目を固く瞑った。
少し特殊なだけで輝かしい個性なんですあとがき
第5弾は受けなサスケくんでした。
ヒロインがドSで女王サマな感じで、サスケくんがしおらしくなっちゃうのってなんだか素敵。←
これで1万打企画は終了いたしました!
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
これからも哀悼をよろしくお願いしますねっ(*^^*)