校門の前で、憧れの蘭丸くんと待ち合わせ!
楽しみだなぁ、楽しみだなぁ。蘭丸くんと二人っきりで帰るなんて、ドキドキしちゃうけど、本当に幸せ。

数分遅れてきた蘭丸くん。ユニフォーム姿も素敵だけど、制服姿もすごくかっこいいね。惚れ直しちゃった。
先に歩き出す蘭丸くんの後を一生懸命追いかけるよ。もう待ってよ、照れ屋な蘭丸くんもだいすき。

しきりに携帯とにらめっこしてる蘭丸くん。どうしたのかな、神童くんかなぁ、神童くんとメールでもしてるのかなぁ。まさか女の子?…蘭丸くんに限ってそんなことあるわけないよね。私は蘭丸くんのこと信じてるんだから!

携帯なんか見ていないで、こっちを向いて、私の名前を呼んで!

そんなことを思っているうちに、私の家の前まで来ちゃった。ここでバイバイだね、蘭丸くん。明日も学校で会おうね!
蘭丸くん、もうすごくだいすき!



『誰かに、つけられてる?』

「あぁ。ここ最近、ずっとなんだ。」


………バイバイって言ったけど、蘭丸くんが電話してたから、思わず立ち止まって聞いちゃった。
蘭丸くんがストーカーされているらしい。
蘭丸くん、すごく困ったような顔してた。
蘭丸くんを困らせるなんて許さない。

「蘭丸くん、私が絶対助けてあげるからね。」

鞄に入っていた果物ナイフを持ち出して、蘭丸くんの後をこっそりついていく。
蘭丸くんを、困らせるやつを消してあげなくっちゃ!

そう思ってたら、いきなり周りが見えなくなった。サイレンの音。あ、コレ知ってるよ。お巡りさん。
突然ナイフを取り上げられる。
あれ、何で手錠なんかされちゃうの?私悪いことしてない。

いやだよう。
蘭丸くん助けて。