七万打企画リクエスト

※学パロ


誰にだって苦手な教科はある。そんなこんなでテストの前は、その場をしのぐことができればいいなんて考えが生まれてくる訳だ。

「おいどうした、間違えまくりじゃねぇか。」

「……サソリ。」

テスト前の復習用のプリントを休み時間に、友だちのところにも行かずに解いていると視界ににむかつくやつが入ってきた。元より隣の席だから、いつでも視界には入るのだけど、何ていうかもっとずずずっと、さ。

「こんな問題も解けないとはな…笑わせてくれる。」

「何カッコつけてんだっ。」

てぇい!と手刀を彼の横腹辺りにお見舞いしてやろうと思ったのに、作戦は失敗に終わった。
サソリは何でもできる。勉強はいつも予習どころかそのさらに先の方まで仕上がっちゃっている。しかも主要教科すべて。彼曰く、得意なのは理数系だぜとか言っているが、私からしてみれば全教科得意だろ、お前。と言いたい。それに運動もできて、体育の時間は男子にも女子にも人気ものだ。うらやましいぜこのやろう。
なんだかサソリの紹介をしちゃってしまったが、結局サソリっていう男はすごい…………けど、それを私は認めたくないからすごくないしょうもない男だと言っておく。だって認めちゃったら何か悔しい。普通恋人の良いところは誇りに思うんだろうけど、サソリは良いところがありすぎるからまあそのなんだろう。だから今日の今この瞬間でさえも、サソリに食ってかかる私。

「テストとか教科書見ながらでいいよね。」

「バカナマエ。それじゃあ何の意味もねぇだろうが。」

「サソリは頭んなかに教科書入ってるだろうから何とでも言えるさ。」

「……つくづく可愛くねぇやつだな全く。まあ褒められて悪い気はしねぇ。」

「褒めてないけどね!」

「…お前な。」

「ふんっ。」

「期末考査だろ。こんぐらい頑張れよ。」

じゃあ私が頑張ったらサソリは何かしてくれるの?と半ば適当にそんなことを聞いてみたら、真剣に考え始めた。あら私ったらそんなに今の成績深刻なのかしらん。

「そうだな。ナマエが今回のテストで90点以上取ったら休みの日1日中お前の好きなセッ…、」

「…クスなんて言わせないからね?真っ昼間から教室で何を言い出す!」

「よく分かったな流石ナマエだ。そうとなれば、ほら、頑張れよ。」

サソリが、テスト勉強に苦しむ私に頑張れなんて言ってくれるのは涙が出るほど嬉しいことだけど、状況が状況だからあまり嬉しくない。だいたい、別にご褒美にするほど好きじゃないし、ご褒美にするほど貴重なことじゃない気がするんだよね。こう言ったらなんだけど。

「じゃあ私が90点以上取ったら、サソリはこの前言ってた洋服買ってね?」

「ああ、あれか。…ふざけんなてめぇ。と言いたいところだが、それにオプションとしてメイド服も着てくれるなら買ってやってもいいが。さあどうする?」

なんか得して損する感じだ。

「どうしようもないね。サソリがこんな変態と知りながら彼女やってますから、仕方なく乗ってあげようじゃないか………お洋服の為に!」

「おお、分かってるなオレの女!」

「…なっ、はずかしいこと言うな!」

もうすぐテストだけど、こうしてサソリが授業が始まっても隣で勉強を教えてくれるからなんとかいけそうだ。待っててねお洋服!





あとがき

バカップルな感じでやりたいと思いまして、こんな風になっちまいやした。
リクエストありがとうございました!