ボクの大好きなあの子はそうだね誰のものだろう。笑顔をそこら中に振りまいて今日も君はかわいいね。ボクの部下の間でも人気のある君は、サブウェイマスターのボクに夢中なんだ。
「クダリさん、今日も1日安全運転で頑張りましょうね!」
「うん。ナマエも頑張って!」
ボクが優しく微笑みかけてあげるだけで、顔を真っ赤にしちゃって。本当に可愛いなあ。
「ナマエさん、今度の休暇にオレと遊園地に行きませんか?」
「ナマエさん、私ね、ナマエさんのためにお弁当作ってきてみたの!良かったら食べて?」
ナマエは男女ともに人気があった。その天真爛漫で優しい性格のせいか、愛らしい外見のせいか。言い寄ってくる人は絶えない。そんな人たちにナマエは常に笑顔を絶やさない。
「ありがとうございます。ですが私には…、」
でもそんなナマエはいつも決まっていろいろな人からの誘いを断る。どうしてって、ナマエはボクが大好きだから。みんなと過ごす時間よりも、ナマエはボクと一緒の時間の方が何よりも大切だって言う。ほら今だって、陰で見ているボクの方をちらりと見てから、せっかくの遊園地のお誘いを申し訳なさそうに断ったでしょ。
「ナマエはいい子だね。」
「クダリさん…。」
「ナマエはボクのそばにずっといてくれるんだから。浮気もしないし、他の男とどっかに行ったりもしないし、お弁当のお誘いも断ってボクのそばにずっといてくれる。ナマエはボクが大好きだよね?じゃなきゃ、こんなことさせてくれないもんね?」
ボクを見上げるナマエを壁に押し付けて、逃げられないようにする。そうしてピンクがかったグロスが艶々としている唇に触れるぐらいのキスを落とした。こんなことをしなくても、ナマエは絶対に逃げたりしないけど、雰囲気ってあるでしょ。ボク、こういう風に追い詰めながら話すの好き。
「…ねえクダリさん、私クダリさんのことしか見えないからね。」
キスの後の甘い余韻を残していきながら、ナマエはボクの首に手を回し、耳元でそう囁いた。
純粋で何色にもまだ染まっていなかったナマエをこんなにボク一色にするまでには大分苦労したし、時間もかかった。でも今こうしてボクだけに愛を囁いてくれるナマエの頬に優しく手を当てながら、やっとのことで手に入れた君を心から愛して大切にしてあげなければと誓った。
想いさえとろけていくあとがき
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metroさまへ提出。
少し病んでるけどまっすぐにお互いが大好きな2人。みたいな。