「不動、お前にこれを着て欲しいんだ」 そう言って鬼道が差し出した服を見て、不動は辟易した。 鬼道の手の中にある服、それは紛うことなきメイド服だった。 しかも、アダルトショップなどで購入できそうな安くさいサテン生地のミニスカートタイプではない。 ロングスカートタイプで決して華美ではないデザインの所謂真面目なメイド服。 鬼道の趣味が如実に表れているものだった。 「鬼道クン、気持ち悪い」 「うっ……」 「ホント、変態だよな」 「うぐぐぐ」 文句を言ってやると、眉を寄せたまま肩を落とす鬼道。 不動はため息をついて苦笑した。 そして、鬼道の手の中にあるメイド服を奪い取った。 「ま、鬼道クンが変態なのは前からだしな。着てやってもいいぜぇ?」 「本当かっ」 不動の言葉を聞いてぱっと顔を綻ばせる鬼道。 現金な恋人の表情を見て、不動は小さく笑った。 しかし不動はこの数分後、恋人の喜ぶ顔が見たいがために仏心を出したことを後悔する羽目になるのだった。 椅子に座りくつろぐ鬼道に跪き、不動は必死に口淫していた。 「ふっ、ぅ……む、ぁ」 口の端から飲みきれない唾液がこぼれ落ち、顎を濡らす。 不動の両腕は後ろ手に拘束されており、まさに口だけしか使えない状態だった。 喉の奥まで鬼道のペニスを咥え込み、頭を揺らして必死に奉仕する。 じゅぽじゅぽと音を立てながら口を窄め脈打つ昂りを口腔内で扱きあげてやると、鬼道は口を歪め愉悦の表情を浮かべた。 雄臭い先走りで口の中を満たされて、不動はうっとりとした表情で鬼道を見上げる。 早く熱い楔で中を抉って欲しい。 そんな考えで満たされた脳内はすでに蕩けきっていた。 「なんだ、不動。俺のをしゃぶりながら、もうここをこんなにしているのか」 そう言って、鬼道は足で不動の股間をぐりぐりと踏みつける。 鬼道に口淫しながら、しっかりと自分の雄も熱を持ち始めていた不動は急な刺激に眉を寄せた。 「や、ぁ……っく」 「ほら、不動。どうして欲しいんだ?」 「あ、っ……ぅ」 不動は鬼道の猛るペニスに頬擦りして、もどかしげに口を開いた。 「ご主人さまのおちんぽで、俺の尻穴をぐちゃぐちゃにして欲しいです」 消え入りそうな声で、それでも確かに不動はそう言った。 紅潮した頬に潤んだ瞳、全てが鬼道の欲を掻きたてる要因と化す。 「ふっ、随分淫乱なメイドだな」 ニヤリと口端を上げて笑う鬼道。 机の引き出しからローションのボトルを取り出し、不動のスカートをたくし上げた。 そして、いささか乱暴に下着をずり下し、不動の尻にローションを垂らしてやる。 冷たい感触にビクリと体を震わせる不動など、気にも留めず鬼道は再び椅子に腰を下ろした。 「俺のが欲しいなら、自分で慣らして入れれるようにするんだな。メイドなら主人に手間をとらせるな」 「なっ!」 後ろ手で拘束されているというのに、どうやって慣らせというのだ。不動はそう思い鬼道を睨むが、鬼道は相変わらず居丈高な態度で椅子に座ったまま動こうとしない。 縛られたまま、なんとか腕を伸ばし自らの尻穴に指をねじ込む不動。 窮屈な体勢のまま、命令された通り健気に自分の肛門を慣らす。 鬼道の昂りを早く受け入れたいそこは、ひくひくと蠕動を繰り返し自らの指を締め付ける。 ぬぢゅぬぢゅと内壁にローションを塗り込むように指を動かし、穴を拡げる。 「ふ、ぅ……っく、ん」 「不動、いつまでそうしているつもりだ」 窮屈な体勢で必死に中を慣らす不動の髪を掴み上を向かせると、鬼道はそう言い放つ。 そして、自分の上に乗る様に指示を出した。 不動はおずおずと、椅子に座ったままの鬼道に跨る。 立ち上がった鬼道の昂りが尻穴に当たり、内股が強張った。 「ぅ、ん……」 「早く腰を下ろせ」 ぐっと腰を掴まれ、不動は恐る恐る腰を落とした。 にぢゅ、と音を立て不動の肉穴を押し開き鬼道の昂りが呑み込まれていく。 熱い粘膜で、鬼道の鼓動を感じ不動は恍惚とした表情を浮かべる。 緩慢な動きで腰を下ろす不動に焦れた鬼道は、下から勢いよく腰を突き上げた。 急に根元までねじ込まれ、不動は目を剥く。 「ぁ、ひっ、アァアアアッ」 「は、随分と熱いな」 鬼道はそう呟き、ズッ、ズッと下から突き上げながら不動の白い尻を撫でてやった。 不動はひくひくと体を震わせながら、中を抉られる快感に耐える。 そうこうしていると、鬼道は下から突き上げるのをやめてしまう。 不動はわけがわからなくなって、鬼道を見つめる。 「や、だっ……鬼道クンっ、なんで」 「鬼道クンじゃないだろ、不動」 うっすらと開かれた不動の唇を指でなぞり、鬼道は言う。 「ん、ぅ……ご主人さまぁ」 甘えるように言い直し、動いてくれとねだるが、鬼道は動こうとしない。 「貴様が奉仕してくれないでどうするんだ、不動?」 不動の唇に触れるだけのキスをして、鬼道は微笑む。 不動はきゅっと唇を噛んで、おずおずと腰を動かし始めた。 ぬぢゅぬぢゅと濡れた粘膜音が結合部から漏れる。 羞恥など忘れ、不動は一心不乱に腰を振った。 「ひッ、ァ、ァッ、ア、っぅ、んっ」 鬼道のペニスがゴリゴリと不動の前立腺を叩き付ける。 いいところに当たるたびに不動の体は弓なりになった。 摩擦で内壁が焼けるような錯覚に陥る。 ぎしぎしと椅子が悲鳴を上げるが、もはや二人の耳には届いていなかった。 絡みつく直腸は、鬼道のペニスを離すまいと収斂する。 鬼道は、不動の律動に合わせ、下から突き上げてやった。 一際深く、中を抉ると不動はびくびくと体を痙攣させて達した。 射精と同時に中がぎゅっと強張り、耐えられず鬼道も不動の中に熱を放った。 「鬼道クンの変態」 鬼道のベッドに横たわり、不動は言い放つ。 「その……すまなかった」 そんな不動の腰をマッサージしてやりながら頭を垂れる鬼道。 「鬼道クン、喉乾いた」 「すぐに、飲み物を持って来よう」 二人の立場は先ほどとはまったく逆転してしまっていた。 しかし、鬼道はどこか満足そうな笑みを浮かべ、不動に飲み物を差し出す。 「鬼道クン」 「なんだ?」 「キスしてちょーだい」 そう言っていたずらっぽく笑う不動に、鬼道は苦笑した。 「あぁ、お前が望むならいくらでも」 甘い甘い口づけを落とし、鬼道は不動を力強く抱きしめた。 END |