日も沈み空が暗幕に包まれる頃、サッカー部の練習を終えた鬼道は家路を急いでいた。 今日は不動が鬼道の家に泊まりに来ることになっている。 一刻でも早く家に帰り、不動と過ごしたい。そんな思いが鬼道の胸中を占めていた。 違う学校に通う鬼道と不動が共に過ごせる時間は限られている。 少ない時間をできる限り一緒に過ごしたいと思うのは、恋人として当たり前のことだった。 練習で疲れた体に鞭を打ち、小走りで辿る帰路。 重い体とは裏腹に、心は羽が生えたかのように軽かった。 しかし、家に着いてから小一時間、不動が鬼道家の呼び鈴を鳴らすことはなかった。 不動を迎える準備を済ませ、玄関の前を往復してどれくらい経つだろう。 鬼道は腕を組み、眉を寄せた。 部活が長引いているのだろうか、もしかしたら事故に巻き込まれているのかもしれない、そんな考えがぐるぐると頭の中を巡る。 時計の針はそんな鬼道を嘲笑うかのように、ただただ忙しなく時を刻む。 居ても立ってもいられなくなった鬼道が玄関のドアに手をかけようとした瞬間、その扉が外側から開かれた。 「え、あ……鬼道クン?」 言葉では言い表せないような鬼気迫る形相の鬼道に迎えられ、不動はぽかんと口を開けた。 「不動っ、無事だったんだな」 勢いよく不動の腕を引き、その胸に抱き留める。 そして、不動の体温を確かめるかのように腕に力を入れた。 不動の細い体から、優しいしゃぼんの香りがする。 鬼道は不動の白いうなじに顔を埋めその匂いを堪能した。 「はは、鬼道クン、なにこれ。熱烈すぎるお出迎えだねェ」 訳も分からず抱きしめられて呆気にとられる不動。それでも満更でもない不動はケラケラと笑いながら鬼道のドレッドに指を絡めた。 「鬼道クンはそんなに俺が恋しかったんだ?」 鬼道の耳元で囁かれる甘い声。 胸の奥底がじくじくと疼くようなその声に、鬼道は頷いた。 恋しかった。一刻でも早く、不動に会いたかった。その気持ちに偽りはない。 鬼道は不動の肩を掴み少しだけ身を離す。 そして、咎めるような目で不動の双眸を覗いた。 「不動、お前は俺に言わなきゃいけないことがあるんじゃないのか?」 「はっ?」 鬼道の質問に小首を傾げる不動。 先刻までの雰囲気が一転、どこか不機嫌な気配を漂わせる鬼道に不動は戸惑う。 「ここに来る前に寄り道してきただろう」 「え、あ、あぁ。部活終わった後、みんなで銭湯に行こうって源田が……」 「ほぉ、銭湯か」 不動の言葉を聞き、細められる深紅の瞳に不穏な炎が宿る。 自分は一刻も早く不動に会いたくて直帰したというのに、肝心の不動が銭湯で油を売っていたという事実がじりじりと鬼道の胸中を焦がしていく。 自分と会うことよりも銭湯に行くことを優先された憤り。そして、不動の柔肌が大衆に晒されたという悋気。それら全てが相まって、鬼道の中はどろどろとしたものに満たされていく。 「貴様は俺とともに過ごす時間よりも、他の奴らと銭湯に行く時間のほうが大事だったというわけか」 「ちょ、鬼道クン、ナニソレ? 曲解しすぎ」 鬼道の飛躍しすぎた解釈に、慌てて訂正を入れるが鬼道はすでに聞く耳など持っていなかった。 「不動、ならば証明してもらおうか。他の奴らより俺の方が大事だと」 「おい、てめぇ、俺の話ちゃんと聞いてる? 鬼道クン、マジわけわかんねぇし!」 スイッチの入ってしまった鬼道には、不動の抗議など一割も届かない。 あれよあれよという間に、不動は鬼道家のバスルームに引きずられてきてしまった。 鬼道家のバスルームは無駄に広い。そして、大理石の壁にタイルと無駄に豪華である。 一糸まとわぬ姿でバスチェアに座らされた不動は、手にボディーソープを取り泡立てている鬼道を見て小さく息をついた。 「あのさ、マジでやるわけ?」 「当たり前だ」 鬼道は嬉々として、ふわふわの白い泡を不動に突きつけた。 そして、その柔らかな泡を不動の陰毛に絡めてやる。 くすぐったさに、震える不動の白い内股。 鬼道は口の端を釣り上げて、剃刀を手に取った。 「もう二度と他の奴と銭湯に行こうだなんて考えられない体にしてやる」 愉悦の表情を浮かべ、不動の下腹部に刃を当てる鬼道。 不動はなんとも言えない表情でそれを見守った。 もとより体毛の薄い不動。陰毛も最近やっと生えそろってきたようなものだった。 そんな二次性徴の証が、今、恋人の手により奪われていくのだ。 じょりじょりと音を立てて剃り落されていく陰毛。 タイルに落ちるそれを見て不動は眉を寄せた。 「できたぞ、不動」 シャワーで不動の股間を流してやりながら、満足そうな表情を浮かべる鬼道。 泡の落とされたそこには、一本の毛も残されていなかった。 つるつるとした白い肌に嬉々として舌を這わせる鬼道。 半勃ち状態の不動のペニスを優しく扱いてやると、不動は甘い声を漏らした。 「ハッ、鬼道クンってほんと変態」 「なんとでも言え」 徐々に芯をもち始める不動のペニスを口に含み、見せつけるように舐りながら鬼道は吐き捨てる。 熱い口腔内で締め付けられ、いともたやすく硬度を増す不動の昂り。 不動は募る射精感を逃そうと、腰を捩り鬼道の口から逃れようとする。 「んっ、ぅ、きどぉ、っくん、そっちはもう、いいからぁ」 浴槽のふちに片手をつき、白い尻を鬼道に突き出す。 そして、自ら紅色の窄まりを指で広げ鬼道を誘う。 「ふん、どっちが変態だか」 鬼道は鼻で笑いながらその窄まりに舌を伸ばした。 ひくつく蕾の皺の一本一本まで丁寧に舐る。そして、たっぷりと濡らしたそこに指をねじ込むと、不動の体が一瞬強張る。 両手の人差し指をねじ込み、左右に押し開きながら舌を入れてやると、不動は体をしならせながら甘い声で鳴いた。 「あ、っぁ、んぅ」 ちゅぷちゅぷと、舌を出し入れして中をしっかりと濡らしてやる。 肉色の内壁はひくつきながらも、鬼道の舌を喜んで受け入れているようだった。 存分に慣らしたそこから指を引き抜くと、浅ましい肉穴はヒクヒクと口を開閉し鬼道を誘った。 鬼道はいきり立つ肉棒を、物欲しそうに口を開く肉穴にねじ込んでやった。 「んっ、はァッ、っくぅ」 熱に貫かれ、弓なりになる不動の背。 そんな白い背中を優しくなでてやりながら、鬼道は根元まで昂りを埋めた。 熱い直腸はきゅうきゅうと収斂しながら鬼道を奥へ誘う。 貪欲な蠕動に気を良くした鬼道は、不動の細い腰を掴み小刻みに揺すってやる。 「ァッ、ひ、ァァッ、ア、っく、ン」 猛る熱に直腸を擦りあげられ、息も絶え絶えに嬌声をあげる不動。 鬼道はそんな不動を抱き上げ、バスチェアに腰を下ろした。 「っく、ァアアッ」 背面座位の状態になり、さらに深く鬼道を飲み込んだ不動は目を剥き体を強張らせる。 そんな不動を下からズンズンと突き上げ、鬼道は愉悦の表情を浮かべた。 「ふふ、鏡を見ろ。貴様の恥ずかしいところが丸見えだ」 言われるがまま視線をやると、大きな鏡に鬼道と繋がっている場所がありありと映っている。 熟れた肛門のふちから、赤黒く脈打つ昂りがぎちゅぎちゅと出入りする様。無毛になった己の性器。そんなすべてが、しっかりと大きな鏡に映されているのだ。 不動は頬を紅潮させ、首を横に振った。 「や、ぁ、っく、ぁ、っぁ」 鬼道は愛しそうに無毛のそこをなぞる。 そして、ピストンのスピードを上げ何度も不動の前立腺を抉ってやった。 ゴリゴリと良いところばかりを集中的に責められて、不動はただただ足を引き攣らせる。 不自然に痙攣する内壁に締め付けられ、鬼道も限界が近かった。 ツンと立ち上がる不動の乳首を捻りあげ、最奥を抉る。 「ヒ、ァァァアアアッ」 乳首を苛まれ、不動の内壁がギュッと締る。 鬼道は不動の最奥に熱を放った。 ヒクヒクと体を痙攣させる不動。 涙と唾液に濡れた顔には恍惚の色が浮かんでいた。 「んぅ……」 揺蕩うような感覚に、重い瞼を持ち上げれば視界に入るのは大理石の天井。 そして、背後に感じるのは愛しい人の気配。 不動は鬼道に後ろから抱きしめられるような形で浴槽の中にいた。 温かなお湯が肌に心地よい。 首を捻り、後ろを見るとどこか居心地が悪そうな鬼道の顔。 「その……、すまない。かっとなって、やってしまった」 心底申し訳なさそうなその瞳に、不穏な炎の影などなくなっていた。 不動は苦笑して、体の向きを変える。 そして、鬼道にまたがるように向き合ってペロリと上唇を舐めた。 「鬼道クン、これどーしてくれんの?」 無毛になった下腹部を指でなぞり、鬼道の赤い双眸を覗きこむ。 「ちゃんと、責任とってくれるんだろぉなぁ?」 挑発的な表情で見下ろされ、鬼道の下半身に再び集まる熱。 不動は楽しそうに笑って、その熱を掴んだ。 そして、自らの蕾にあてがい腰を下ろす。 存外、そこはたやすく鬼道の熱を飲み込んでしまった。 「んぅ、は……ぁ」 目を細め甘い息を漏らす不動。 鬼道はそんな不動を強く抱きしめた。 「責任ならいくらでもとろう」 「ハッ、あたりまえだろォ。途中で捨てたら許さねぇから」 口の端を釣り上げて、自ら腰を振る不動。 ぱちゃぱちゃと波立つお湯。 甘く淫らなバスタイムは始まったばかりだった。 END -----*-----*-----*----- 佳織様、リクエストありがとうございました。 きどふどお風呂プレイ、甘々裏仕立て。相思相愛で鬼道クンのご無体なら許しちゃうあきおたんを書いてみましたがいかがでしょうか? ドキドキ 少しでも気に入っていただけたら、幸いです^^ 温かいコメントと素敵なリクエストありがとうございました! 拙いエロ小説ばかりのサイトですが、これからももモリモリ更新していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします^^ |