■ こんなはずでは ■

※注意 ひよこ様リクエスト/源不/源田を食ってやろうと意気込むも返り討ちにされるあきおたんの襲い受け


 源田はまるで恋する乙女の様に頬を染め、はにかんだ。
そして「美味しくないかもしれないが、良かったら食べてくれ」と言って、可愛らしいバナナ柄のランチクロスに包まれた弁当箱を差し出した。
 なんだ、この可愛い生き物は。そんな考えが、不動の頭を第一に過った。
 源田のあまりにも可愛すぎる行動に、思わず頬がだらしなく緩んでしまう。
「不動?」
 反応がないことを不安に思ったのか、源田は恐る恐るといった表情を浮かべ不動の名を呼んだ。
 その声で我に返った不動は、ぎっと源田を睨めつける。
「ハッ、仕方ねぇから食ってやるよ」
 不動はとってつけたような悪態をつきながら、差し出された弁当箱を乱暴に受け取った。
「ありがとう」
 そう言って嬉しそうに目を輝かせる源田。
 受け取ってくれてありがとうだなんて、バカが付くほどのお人よし。
 そんな源田は不動にとって自慢の恋人だった。
 しかし、そんな自慢の恋人に対し、不動は一つだけ不満があった。
 付き合って三か月。いまだキスすらしたことがない。
 源田はどうしようもない程に初心だった。
 そういう雰囲気になって顔を近づけようものなら、真っ赤になって話と顔をそらしてしまう。
 どちらかというと自ら進んで足を開くような女とばかり付き合ってきた不動にとって、この三か月は苦行のようなものだった。
 だが、なんだかんだ言っても源田は不動にとって大切な恋人だ。出来うる限り源田の意思も尊重してやりたい。そう思って三か月間も我慢をしてきたが、そろそろ限界だった。
 しかし紆余曲折している不動に、ついに好機が訪れたのだった。
「不動、今週の土曜日は部活が休みだが、何か用事はあるのか」
「別に」
「あ、あの……実は週末、親がいないんだ。だから……その」
 源田はうつむいてモジモジしながら言いよどむ。
 源田の言わんとしていることは容易に想像がついた。
 不動は口の端を釣り上げて、源田が最後まで言い終わる前に返事を出す。
「いいぜぇ? 泊まりに行ってやるよ」
「ほ、本当か」
 ぱっと表情を綻ばせ、不動の手を握る源田。
「あぁ」
 不動は気のない返事をしたが、胸中は土曜日への期待で沸き立っていた。

 そして訪れた土曜日。
 ローションとゴムは準備した。あと必要なのはちょっとした雰囲気と勢いだ。
 男を相手にしたセックスはしたことがないが、女を相手にするのと大差ないだろうと不動は高を括った。
 そして、気を抜くと緩んでしまう頬を叩き気合を入れる。
 今日こそ絶対に決める。そう意気込んで、不動は寮を出た。
 源田の家は不動が生活する帝国学園の寮のそばの駅から二駅離れたところにある。
 洒落た家ばかりが立ち並ぶ高級住宅街の一角。
 周りの家にひけをとらない見事な邸宅が源田の家だった。
 鬼道には及ばないまでにしても、かの名門帝国学園に通うだけあって源田も十分すぎるほどのおぼっちゃまだった。
 源田の家のインターホンを鳴らすと、重厚な門扉が自動的に開かれる。
 不動が源田の家の敷地に入るとその門扉はすぐに閉じられた。
 玄関の扉を開けるとすぐに源田が迎えてくれた。休日というだけあってどこかラフな格好だが、顔が整っているせいもあり何を着ても様になる。
 案内されるがまま、不動は源田の部屋に足を踏み入れた。
 いつ来てもきっちりと整理されている源田の部屋。
 本人の性格が如実に表れていて不動は小さく笑う。
「適当に座っていてくれ。今飲み物を持ってくる」
 源田はそう言って部屋を出て行った。
「ん」
 不動は短く答えて、源田のベッドに腰を下す。
 数分もしないうちに戻ってきた源田はテーブルの上に飲み物とお菓子を置いて、不動の向かい側に腰を下した。
 部活のことや昨日見たテレビの話、そんなたわいもない会話がだらだらと続く。
 ゲームをしたりだべったりするうちに、いつの間にか日は傾いていた。
 源田の作った夕食を食べたあと、風呂に入ってこのまま寝てしまうのかという空気に不動はやきもきしていた。
 このままではまずい。
 結局また進展もなしに終わってしまう。
 そう危惧した不動は床に布団を敷こうとしている源田をベッドに押し倒した。
「源田、てめぇ、ここまできて別々に寝るとか言い出すんじゃねぇだろうなァ」
 目を細め些か低い声で問う不動。
 源田は何が何だかわからないといった表情で目を泳がせる。
「ど、どうしたんだ、不動っ」
「どうしたも、こうしたも、本当はわかってんだろォ。俺を泊めておいて覚悟ができてねぇとは言わせねぇぜ」
 そう言って、不動は源田の股間を膝でなぞる。
 顔を真っ赤にしてぎゅっと目を閉じる源田。
 不動の腹の底からむらむらとしたものが沸き起こる。
「三か月も待ったんだ、今日こそやるからな」
 ぺろりと上唇を舐め、不動は源田のジーンズを下着ごとずり下した。
 鎌首をもたげた源田の欲望が露わになる。
 不動は躊躇いなくそれを口に含んだ。
「ひっ、ぁ、ふ、不動っ」
「おとなしくしてれば天国みせてやるよ」
 そう言って、不動は見せつけるように竿を下から舐る。
 そして、ちゅ、と音を立て先端にキスの雨を振らせてやった。
 上唇と舌で亀頭を横から挟み、舌を伸ばして亀頭の裏側を包み込む。
 音を立てて横舐めしてやると源田の肉棒はすぐに固くなった。
 完全に勃ち上がった源田の肉棒は、不動のそれなど比ではないほど太くそして長い。
 不動はそれを咥え込み、先端部分を小刻みにちゅぷちゅぷとしゃぶる。
 往復するたび少しずつ深く飲み込んでいき、口を窄め吸引すると源田は太ももを震わせて小さく喘いだ。
 自分の中に挿入させることができない罪悪感から、せめて先に気持ち良くさせてやろうと不動は必死に口淫した。
 舌を亀頭の裏側に強く押し当てながらきつく締めつけるように口を窄めて吸い上げる。
 緩急をつけながら、ジュポジュポと音をたて頭を揺すると源田は耐えられなくなったのか、不動の頭を掴んでそれを止めさせた。
 そして、強く腕をひかれたかと思うと、ぐるりと反転する体。
 不動は何が起きたのか理解できなかった。
 視界に映るのは、白いシーリングライトと天井、そしてどこか切羽詰まった表情の源田。
 肩をしっかりとつかまれた不動は、身動きがとれないようベッドに縫い付けられていた。
 身を捩ろうと力を入れるが、うんともすんともいわない。体格が違いすぎる源田の力は思っていた以上に強かった。
「覚悟はできているんだろう?」
 腰に響くような低い声で源田は囁いた。
 細められる深い色の瞳に射抜かれて、不動の背中をぞくりとしたものが走る。
 いまだ現状を飲み込めていない不動をよそに、源田は次の行動に移る。
 不動の両腕を一まとめにし片手で押さえつけ、もう片方の手で不動の下着をはぎ取った。
 ぶるんと飛び出した不動のそれを見て、源田は小さく笑う。
「なんだ、不動。俺のをしゃぶりながら感じていたのか」
 先刻不動がしたように、膝でそれを嬲りながら源田は問う。
 不動は悔しそうに眉を寄せた。
「うるせぇ、どういうことだよ、これ」
「どういうもこういうも、不動もそのつもりで泊まりに来たんだろう? こんなものまで準備して」
 そう言って、不動が準備していたローションを見せつける。
「それはっ」
 やる気満々だったことを揶揄されて、不動は口をつぐみ顔を反らす。
 こんなはずじゃなかった。そう思っても、もう遅かった。
 片手がふさがっている源田は口を使いローションのキャップを開ける。
 そしてボトルを傾け、とろみのあるローションを不動の股間に垂らした。
 冷たい感触に不動の内股がビクンと強張る。
 源田に使うつもりで持ってきたものがまさか自分に使われるだなんて思いもしなかった。
 源田の節くれだった指がつぅ、と不動の性器を撫でる。
 そして、ゆっくりと会陰部を伝い目的の場所へとたどり着く。
 排泄のための場所を、違う意図をもった指がいやらしくなぞる。
 不動は足をバタつかせ必死に抵抗するが、源田の指が止まることはなかった。
 淡い色の窄まりにたっぷりとローションを塗り込めて、確かめるように挿入される源田の人差し指。
「ひぃ、っぁぁっく」
 突然の侵入に不動の足が跳ねる。
 ぐるりと、内壁を掻きまわされる感覚に不動の体は小さく震えた。
 狭い直腸は異物を吐き出そうと必死に抵抗する。
 しかし、源田は何度も何度も人差し指を出し入れした。
「や、ぁ、源田ぁ、っ、ァァアッ」
 体の中を他人に嬲られる初めての感覚に不動はもう何が何だかわからなくなっていた。
 涙を溢し体を硬くする不動。
「大丈夫だ、不動。力を抜いてくれ」
 源田はそう言いながら、汗の浮かぶ不動の白い額にキスを落としてやった。
「ぁ、はッ、く……ぅ」
 はくはくと口を開閉させ、息を吸い込む不動。
 言われるがまま、必死に力を抜こうと努める。
 源田はそんな不動の体を気遣いながらも中に入れる指の数を増やしていった。
「んぅ、ァ、ぁっく、ぁぁっン」
 徐々に麻痺していく中の感覚。
 いつしか不動の口から漏れる声に甘さ混じっていた。
 頬を紅潮させ、胸を大きく上下させながら息を取り込む不動。
 ヌヂュヌヂュと何度も中を往復する源田の指がいつの間にか三本になっていることに不動は気づいていない。
 中でばらばらと指を動かした後、源田はゆっくりとその指を引き抜いた。
 ジュポッ、と音をたて指を引き抜かれた肉穴は名残惜しげにひくひくと口を開閉させる。
 得も言えぬ物足りなさに、不動は無意識のうちに鼻を鳴らしていた。
 そんな不動の唇にキスをして、源田は己の昂りを物欲しげな肉穴にあてがった。
 そして、ゆっくりとそれを埋めていく。
 不動の狭い肉穴はぎちぎちに押し開かれていた。それでも健気な蕾は、懸命に源田を飲み込もうとする。
「っく、ァ、ッひ、ぁ、ぁっぅ」
 目を見開き、喉を反らしながら体を震わせる不動。
 昂りを根元まで埋めた源田は不動の体を抱き起こした。
「ぅ、ァアッ」
 さらに深く源田を飲み込んだ不動は短く喘ぐ。
 源田はそんな不動の細い体をぎゅっと抱きしめてやった。
 ぴったりとくっついた肌で互いの熱を感じ、源田は幸せそうに目を細める。
 そんな表情を見て、不動もつられて頬を緩めた。
 当初の予定から大幅に反れてしまったが、源田の剛直を受け入れてぐずぐずになってしまった不動の思考ではそんなことなどもはやどうでもよかった。
 今、不動の頭を満たしているのは源田と一つになれた喜びだけだった。
 ゆっくりと腰を動かし始める源田。
 ぐぽぐぽと音をたて、不動の尻穴を出入りする赤黒い欲望。
 脈打つ熱で中を掻きまわされ、感じたことのない感覚に支配される不動。
 白い内股を痙攣させる不動の熱も確かに芯をもち反り返っていた。
「っぁ、はっく、ぅ、っぁああ、ん」
 嬌声をあげる不動の腰は、更なる快感を求めるように浅ましく揺れ動く。
 それに気を良くした源田は、ラストスパートをかけるかのように小刻みに腰を打ちつけた。
 ぱんぱんと肉がぶつかり合う音と、粘着質な水音の響く室内。
 一際深く不動の中を抉った源田は最奥に熱を放った。
 そして、まだ欲を吐き出していない不動の性器を軽く扱いてやる。
 直接的な快感に不動の性器はあっけなく白濁を迸らせた。
 不動の中から萎えた肉棒を引き抜くと、ぽっかりと開いた肛門からごぽりと白濁が伝う。
 その淫猥な様に、源田の欲は再び鎌首をもたげる。
 ぐったりとうつむきでベッドに横たわる不動の腰を掴み、開いたままの肉穴に再び熱を押し当てる源田。
 抵抗する体力すら残っていない不動は、ただただ揺さぶられ喘ぐことしかできなかった。
 空が白み始めるころまで、不動は何度も何度も源田の熱を受け止める羽目になるのだった。


END

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ひよこ様、リクエストありがとうございました。
源田くんを食ってやろうと意気込むも気づいたらずこばこされくにゃんくにゃんになってしまうあきおたんの襲い受けです。序盤は限りなく攻めっぽいあきおたん目指してみましたが、いかがでしょうか?ドキドキ
少しでも気に入っていただけたら、幸いです^^
温かいコメントと素敵なリクエストありがとうございました!
源不が大好きなのでとても楽しく書かせていただきました^^
今回、まったく源不リクがなくて、もしかして需要ないのかしらとあわあわしていたのですが、そんな中ひよこ様に源不リクをしていただけて本当にうれしかったです!
そして、当サイトと私なんかを美味しいとおっしゃっていただき、感無量です! とても励みになります^^ ありがとうございました!!
あきおたんへの愛で誠心誠意更新していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします^^





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