■ Engage ■

※注意 年齢操作/源不/甘々


「よぉ、源田じゃないか」
 不動に渡されたメモを見ながらスーパーで買い物をしていた源田は偶然、佐久間と出くわした。
 大学を卒業してからというもの会う機会がめっきりなくなってしまい、かなり久しぶりの再会だった。
 佐久間は相変わらずの様子で源田の肩を叩く。
「元気にしてたか?」
「あぁ、見ての通りだ」
 思いがけない邂逅に、ついつい盛りあがてしまう会話。
 仕事のことや、昔の仲間が今何をしているかなど、他愛もない話に花が咲いた。
 そうこうしていると、源田の携帯が流行の着信音を奏でる。
 ジーンズのポケットから携帯を取り、ディスプレイを見ると着信は不動からだった。
 源田は慌てて電話に出る。
「あぁ、不動。すまない、すぐ戻る」
 今日の夕食の材料が届かないせいで料理が滞っている不動から「早く帰ってこい」という内容の電話だった。
 気づかないうちにだいぶ時間が経っていたらしい。
「なに、不動とまだ一緒に暮らしてんの?」
「あぁ、恋人だからな」
 佐久間に問われ、源田は恥ずかしげもなく答える。
「そういや不動、仕事してんの?」
「していないぞ」
 源田はまるで当たり前のことのようにそう言った。
 そう、不動は仕事をしていない。
 この就職難のなか、源田は運よくそれなりに有名な会社に就職することができた。もちろん、給料もそれなりに高い。おかげで源田一人の給料で二人分の生活費を十分にまかなえているため、不動に働く必要はなかった。
 源田は給料明細と通帳全てを不動に預けて家のことを任せている。
 不動は源田が仕事に出ている間に炊事、洗濯、掃除など家事全般をしてくれる。あまり生活力のない源田にとっては、本当にありがたいことだった。
 疲れて家に帰ると、温かいご飯とお風呂を用意して源田を迎えてくれる不動。
「なんだか夫婦みたいでいいだろ」とつい口から出てしまい、自分で言っておきながら源田は恥ずかしくなる。
 頬を染めのろける源田を見て、佐久間はものすごく嫌そうな顔をした。
「つか、え、夫婦? キモっ。むしろヒモとかそんな感じなんじゃねぇの」
「そんなことはないぞ! あぁ、すまない。早く帰らないと、不動が待っている」
 時計を見て、源田は眉をハの字にしてそう言った。
「おーおー、とっと帰れ」
 そう言って佐久間は、しっしっと手を払う仕草をする。
 源田は佐久間に手を振ると、小走りでレジへと向かった。

 家に帰ると、美味しそうな匂いが部屋を満たしていた。
「不動、今帰った」
 源田はそう言いながら台所へ向かう。
 台所からはトントンと規則正しい音が聞こえてくる。
 買い物袋をかかげ台所に入ると、黒いシンプルなエプロンをした不動がキャベツを千切りにしていた。
「ん、おかえり。遅かったじゃねーか」
「あぁ、スーパーで佐久間に会ってな」
「へェ?」
「元気そうだったぞ」
 そう言って源田は、後ろから不動を抱きしめる。
「こらっ、今キャベツ切ってるから、あぶねぇぞ」
 不動は手を止め、首を傾け源田を見上げた。
「あぁ、知ってる」
「知ってるなら離れ……」
 不動が言い終わる前に、その唇をふさいでしまう源田。
 身を捩り離れようとするが源田の力にかなうわけもなく、結局諦めて口づけを享受した。
 源田の熱い舌が不動の口腔内を貪る。
 歯列をなぞり、唾液を交換するように舌をねっとりと絡める。飲みきれなかった唾液が、不動の顎から滴り、透明な線を残した。
「なに盛ってんだよ、バカ」
 唇を離すと、潤んだ瞳で源田を見上げ悪態をつく不動。
「エプロン姿の不動を見たら止められなくなった」
 不動の腰を抱いたまま源田はそう告げる。
「俺のエプロン姿なんていつものことだろ。ほら、離れろ」
「いや、不動。もう少しこのまま、俺の話を聞いてくれ」
 源田はそう言ってジーンズのポケットに手を入れる。
 ポケットの中から取り出されたのは小さなケース。
 そのケースを開けると、中にはシンプルなデザインのプラチナリングが収まっていた。
「……なんだよ、これ」
 ケースの中身を見て目を丸くする不動。
 当の源田は、はにかみながら笑った。
「その……給料三か月分だ」
「ハっ、なんだよ……わけわかんねぇ」
 不動の大きな目がこぼれ落ちそうなほど見開かれる。
 本当に意味が分からないといった表情で見上げられ、源田は苦笑した。
 ゆっくりと不動の左手をとり、白い薬指にプラチナのリングをはめてやる。
 サイズはぴったりだった。
「おそろいだ」
 源田は自分の薬指を不動に見せてそう言った。
 源田の薬指にも、不動のそれと同じデザインの指輪がはめてある。
「……わけわかんねぇ」
 目じりを赤く染め、そう呟く不動の肩は小さく震えていた。
「俺は男だから、結婚なんかできねぇし、子どもだってつくれねぇんだぞ。わかってんのかよ」
 うつむき、吐き捨てるように不動は言った。
 不動の頬を伝い透明な滴がぽたぽたとフローリングの床に落ちていく。
 不動が言わんとしてることは、痛いくらいにわかる。
 しかし、源田はへらりと笑って不動を抱きしめた。
「ずっと一緒にいてくれ。それだけでいい」
「……バカっ」
 そう言って源田の胸に顔をうずめる不動。
 源田はそんな不動の頭を優しく撫でてやった。
 そして、顔を上げさせ涙に濡れた頬を舐めてやる。
 そのまま不動の唇を舐め、舌を滑り込ませると不動の口から甘えたような声が漏れた。
「ん……ァ」
 ちゅぷちゅぷと音をたて、角度を変えて何度も唇を吸う。
 それだけでは物足りなくなった不動は物欲しそうに舌を出す。源田は差し出された舌に自分の舌を絡め、不動の口腔内を余すことなく貪った。
 長い長い口づけを終え唇を離すと、名残惜しいという二人の気持ちを代弁するかのように透明な糸がひいた。
 うっとりとした表情を浮かべ肩で息をする不動。
 唾液で濡れた唇をぺろりと舐め源田の股間を膝でくすぐる。
「源田ァ、どうしてくれんだよ。火ぃついちまったじゃねぇか」
 蠱惑的な笑みを浮かべ、源田を押し倒す不動。
 源田の腹筋をするりと撫でながら、もう片方の手で器用に自分のズボンを脱ぐ。
 不動の白い太ももが視界に入り、源田は胸が熱くなった。
「責任とれよ」
 挑発するようにそう言って、不動は源田の口に自分の指を二本ねじ込む。
 源田は不動の指を美味しそうにしゃぶった。
 たっぷりと唾液の絡まった指を源田の口から引き抜き、そのまま自らの蕾にそれを塗り込める。
 そして入り口を濡らし、つぷっと中に指を押し込んだ。
「ァ、っく……ぅ、ん」
 ねじ込む瞬間、少しだけ強張る不動の体。
 ぐるりと内壁を掻き回し、中を慣らしていく。
 源田のものを飲み込むために、自ら中を拡げる不動の姿。
 源田はたまらなくなって、不動の指が入ったままのそこに指をあてがった。
 すでに不動の指を二本咥え込んでいる蕾に、源田の人差し指と中指が強引に押し込まれる。
「アっく、ぅ……ひ、やァ」
 入り口を無理やり押し広げられる感覚に、不動は苦しげな声を上げ内またを震わせた。
「大丈夫か?」
 口ではそう言いながらも、源田の指は無遠慮に中を嬲り始める。
 ずるずると出し入れしては、中を拡げるように指を開く源田。
「ァ、ヒッ……ンっく」
 中をいいように苛まれ、不動は喘ぎながら体を震わせるので精一杯になってしまう。
 ぐちゅ、と指を引き抜かれると、不動の尻穴は物欲しそうにひくついた。
 源田はジッパーを下げ、いきり立つ肉棒を不動の眼下に晒す。
 赤黒いそれはどくどくと脈打ち、先走りに濡れていた。
 源田の剛直を目の当たりにして、不動はごくりと喉を鳴らす。
 誰に言われるでもなく四つん這いになり、源田に尻を突き出す不動。
「源田ァ、早くくれよ」
 うっとりとした表情で、自らの尻穴を左右に押し開き甘えた声を出す不動。
 紅色の口が涎を垂らし、ひくつく内壁を晒しながら源田を誘う。
 たまらなくなって、源田は己の欲望を不動の肛門にあてがった。
 ぬちゅ、と音をたて太いカリ首が狭い蕾を押し開く。
「ヒッ、ァ、ァ゛……っく」
 不動の細い腰を掴み、乱暴に腰を突き上げると源田の剛直は根元までずっぽりと飲み込まれてしまう。
 挿入の衝撃に弓なりになる不動の体。
 直腸もヒクヒクと戦慄き、源田の昂りを締め上げる。
 ゆっくりと腰を揺すり、不動のいいところを突き上げてやると甘い嬌声が漏れた。
「ぁ、んっく、ァッ、ァァアッ」
 徐々にスピードを上げて不動を攻めたてる。
 勢いが増すほどに、パンパンと肉がぶつかり合う音が響く。
 源田の剛直が前立腺をかすめるたび、背をしならせる不動。
 不動の上着の中に手を滑り込ませ、ツンと立ちあがった乳首を抓るように弄ってやる。
「ィっ、ぁっ、ァ、や、やぁッ」
 乳首を捏ねくりまわし乱暴に引っ張ってやると、不動の中がぎゅっと締る。
 その刺激が気持ち良くて、源田は不動の両乳首をぐいぐいと捻りあげた。
 源田の熱を搾り取るように収斂する直腸。
 源田は耐えられず、不動の中に欲を吐き出した。
 白濁を注がれると同時に、不動も達してしまう。
 放物線を描いた白濁はフローリングの床にパタパタと落ちた。
 ずるりと萎えた肉棒を引き抜くと、ぽっかりと開いた肛門からごぽりと源田の吐き出したものがあふれ出す。
 源田は床に倒れ込みそうになる不動を抱きとめ頭を優しくなでてやった。
「お前のせいで、夕飯の支度が中途半端じゃねぇか」
 恨みがましい声を上げる不動。
「すまない。不動が可愛くて止められなくなった」
 源田が素直に謝ると、不動は「別にいいけど」と言って恥ずかしそうに顔をそらした。
 源田はそんな不動を抱きかかえ、二人の寝室へ向かう。
 そしてベッドの上に不動を下し、左手の薬指にキスを落とす。
「ずっと一緒にいような」
 不動の指に自分の指を絡めながら秘め事のように囁く源田。
 源田の言葉に、不動は小さく頷いた。


END 





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