源不で出遅れたバレンタイン小ネタ
2011/02/15 01:23

「なぁ、俺が本当は嫉妬深いってしってるかァ?」
 言葉とは裏腹に口の端を釣り上げて至極楽しそうな表情で不動は言う。
 源田は眉を八の字にして、そんな不動を見た。
 不動は怒っている。このうえなく怒っている。
 理由は簡単に見当がつく。そして、悪いのが間違いなく自分だということも、もちろんわかっていた。
「お前がそんなんだったら、俺も身の振り方を考えるぜぇ?」
 つう、と源田の胸を指でなぞり目を細める不動。
 その言葉の意味を瞬時に悟り、源田は首を振った。
「不動、ダメだ。それは!」
 そして、不動の細い体を強く抱きしめる。
「なぁに? 源田クンはぁ、自分では他の奴にもイイ顔するくせに、俺が同じことするのは許せないわけ?」
「不動っ……」
 源田は抱きしめる腕に一層力を込める。
 痛いくらいの抱擁に、不動は眉を顰めた。
「源田のバカ野郎」
「あぁ、俺は大馬鹿野郎だ」
 叱られた犬のようにうなだれる源田。
 不動はそんな源田の頬を優しく撫でてやった。
 そして、とどめの一言。
「で、もらったチョコどーすんの」
「うっ……」
 にっこりと細められたアイアンブルーの瞳。満面の笑みだというのに、源田の背筋を冷たいものが走る。
 追い詰められた源田は小さく唸ることしかできなかった。
 優しい源田がもらったチョコレートを無下に突き返せないことなど知っている。
 そして、皆そんな優しい源田が大好きなのだ。
 もちろん、その優しさを含めて、不動も源田のことを愛している。
 仕方ないとわかっていても、割り切れないこと。
 不動は苦笑して源田の唇に噛みついた。

END


すいません、思いっきり昨日の更新間に合いませんでした。
可愛い弟を若干遠い寮まで送ってやったらだいぶいい時間になってしまっておりまして……急いで書いたのですが間に合いませんでした。
ぐう、源不バレンタインエロも書きたかった。
さっきUPした分は昨日カウントにして、今日はもう一本UPできるよう頑張りたいと思います♪
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