「そ、そうか…」
『はい』
しばらくイギリスは、視線をこちらに向けては逸らし、また向けては逸らし
何か言おうとしては止め、口を開いては閉じる動作を何回もしていました。
やがて、堪忍したかのように溜息をついて、こう告げました。
「……俺は、あの、…待ち合わせ…をしてたんだ」
『そうなんですか?』
「あぁ…顔も知らない人なんだけどな」
ポリポリと恥ずかしそうに頭をかくイギリスが、可愛く見えました。
…口に出したら、怒られそうですけど。
「まぁ…こんだけ待っても来そうにないし…な。」
『え?』
そういえば…待ち合わせの時間教えてもらってないような…
「いや、恥ずかしい話なんだが、待ち合わせの時間伝えるの忘れて」
あ、やっぱり
「それより二人とも、暇なら一緒にお茶会でもしないか?」
そこらの店より、上手く煎れてやるぞ
なんて、少し寂しそうに笑うから
『そうですね、ちょうど喉が渇いていたんです』
「え、でも飲み物ならさっき…『もう、ハンガリー!』
「…うん、そうね。でも、まずいお茶煎れたら許さないわよ」
そんなわけで、イギリスの家まで行くことになったのです。