散らばる空想庭園
薔薇のお茶会 -5/5

「そ、そうか…」

『はい』


しばらくイギリスは、視線をこちらに向けては逸らし、また向けては逸らし
何か言おうとしては止め、口を開いては閉じる動作を何回もしていました。


やがて、堪忍したかのように溜息をついて、こう告げました。



「……俺は、あの、…待ち合わせ…をしてたんだ」

『そうなんですか?』

「あぁ…顔も知らない人なんだけどな」


ポリポリと恥ずかしそうに頭をかくイギリスが、可愛く見えました。
…口に出したら、怒られそうですけど。

「まぁ…こんだけ待っても来そうにないし…な。」

『え?』


そういえば…待ち合わせの時間教えてもらってないような…


「いや、恥ずかしい話なんだが、待ち合わせの時間伝えるの忘れて」


あ、やっぱり


「それより二人とも、暇なら一緒にお茶会でもしないか?」

そこらの店より、上手く煎れてやるぞ
なんて、少し寂しそうに笑うから



『そうですね、ちょうど喉が渇いていたんです』

「え、でも飲み物ならさっき…『もう、ハンガリー!』

「…うん、そうね。でも、まずいお茶煎れたら許さないわよ」




そんなわけで、イギリスの家まで行くことになったのです。



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