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「で、私を付き人役に?」
『ごめんね、一日お時間頂ければ…』
あの約束をした後日、ハンガリーの所へ向かいました。
ハンガリーは、私の良き理解者で妹のような存在なのです。
「いいわよ、姉様の頼みだもの!」
彼女も同じように思ってくれてるようで、ついつい甘えてしまいます。
『身元がバレてしまっては元も子もないので、変装しようと考えているの。』
テーブルの上に用意してあるケーキを、一口食べてみる。
あぁ、程よい甘さがふわりと広がって美味しい。
もう一口頂きましょう。
「そうねぇ…私もしたほうがいいのかしら?」
そう言って小首を傾げるハンガリー、まぶしすぎです!
あぁ、こんなに美人になってもう…!
『できればお願い。』
ケーキをもう一口…って食べ終わってしまいましたか。
無意識にパクパク食べてたようです…うぅ、はしたない。
次回から気をつけなければ…。
それと同時にハンガリーは、紅茶を飲み干し
「うふふ、なんだか面白いわね。」
と、無邪気に笑いました。
『うーん、面白いのでしょうか?』
「だって、貴女の世界の向こう側にいる相手に会うんでしょう?」
『そうですけど…』
何が言いたいのでしょう
「仮想世界で出会った彼に、仮装したまま会うなんて。」
まるで駄洒落ね、なんて笑う彼女
あぁ、私はこれから、相手に酷いことをするんだな。なんて思いました。