一方、巨塔の中
「わぁ!虹よ、兄さん!…キレイ…」
廊下の窓を見ていた少女は、感嘆の声を上げた
端正な顔立ちをしており、艶のある黒髪を二つに括っている
「そうだねリナリー。でも、リナリーの方が綺麗だよ」
隣にいる男性は自分の妹、リナリーに対し、恋人に言うような台詞を呟いた
「はいはい…ってあーあ、消えちゃった。」
消えると同時に
ズドドゴシャァアンッ
外からあまり聞かないような音が響く
「…すごい音、あまり聞かない音ね。」
「あー…AKUMAかなぁ。湧いちゃったのかなぁ…皆、出払っちゃってるんだけどなぁ」
ポリポリと頭をかく自分の兄を見つめて、
「兄さん…私が様子見に行くわ。」
外へと歩き出した。
だから兄さんも仕事してね、と笑顔で言い残して。