ウィークリーガール
接触-3/3

どれ程歩いたのだろうか。
真っ暗な舘では、ファインダーのランプだけが周りを照らしてくれている


『ねぇ、なんかここ変じゃない?同じところをずっと歩いてる気がするの』

「そうか?こういう建物だとよくあるし、錯覚してるんじゃ?」


「いえ、カノン様の言う通りでございます。あちらをご覧ください」


ファインダーが指差した先には、ナイフで傷がつけられた壁。
もしもの為に、目印としてつけておいたのだ。

ジロリとラビを見つめるカノン
『あんたさぁ、そんなんでブックマンになれると思ってんの?』

「あ、あははは…ちょっと考え事してたさ…」

そんな視線から逃れるように頭を掻いて目を逸らす


『あら、考え事する余裕がまだあるのね。なんならもう一発…』

「うわわわごめんって!ってかカノン!女の子なのにそんな乱暴になっちゃダメさ!」


騒いでいると奥の暗闇が揺れた

『! ラビ』
「あぁ…わかってるさ」


ホルダーから武器を引き抜き構える

暗闇は未だに揺れており、足音が近づいてくるのは解るが、姿は見えない。

やがて足音は止まり、

「私の城に何かご用ですか…?」

鈴のような声が廊下に響いた。

*前 | 次#
しおりを挟む
BACK
HOME
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -