その音は、騒がしいにも関わらず、食堂全体に響いた
そして、ぶつかった本人から出るオーラは、食堂全体を震撼させた
―――やべぇ、神田がキレた!
誰かが皆の思いを小さく呟いた。
「〜〜ッてめぇ!何しやがる!!」
振り向きざまにカノンの相棒を全力で投げ返す。
顔面直球、女だろうが容赦しないのが神田ユウなのである。
しかしカノンは何事も無かったかのようにソレを受け止めた。
『フン、あんたが無視しなきゃよかったのよ。』
「無視してんだからそれなりに理由があるってわかれよ馬鹿女!」
『バカって言ったわね?バカって言った奴がバカなのよ。バ神田』
「今テメーが言ったからバカはお前に移ったぞバーカ!」
『はい残念。バカはあんたになりましたーざまみろバーカ』
「もういっぺん言ってみろバカ女!」
不毛すぎる口喧嘩に取り巻きはげんなりした顔で見守っていた。
『――…昔の事なら気にしてないから。』
そんな中、ぽつりとカノンが呟く
それを聞いて、苦虫を噛み潰したような表情をする神田。
その言葉は、きっと――。
『あれは事故だった。』
仕方がないのだ、生きたいと願った故の選択だったのだから。
『私のお風呂覗いたこと』
「やっぱてめぇ殺す!!」
てくてくと歩き出したカノンに斬りかかろうと抜刀するも、コムイや取り巻きに囲まれ、尋問され、神田は誤解を解くのに時間がかかったとか。