・
・
・
残りの書類が半分をきった頃
「あ、いたいたカノン!」
ひょこっと研究室から顔をだしたのはリナリー
『リナリー、どうしたの?』
「ううん、カノンが最初に行く所って言ったらココかなって。はい、ココア。」
リーバー班長はレモンスカッシュね、と空いているスペースにマグカップを置いて、椅子に座る
『ありがと、リナリーの入れるココアはなんだか落ち着くから好きなの ……あら?』
置かれたマグカップを手にして、気が付いた
「気付いた?それ、昔からカノンが使ってるお気に入りのマグカップ」
『…まだ…、置いてたのね…』
「当たり前じゃない。ココは、貴女の家なんだから」
ニコニコとお日様のように笑うリナリーを見て、唖然とする
『へ? な、何言ってるの? 私はただ久しぶりにここへ寄っただけで……そ、そうよ、私、アジア支部でお世話になってんだから』
「大丈夫、兄さんが話つけてあるって」
『ちが…そーじゃないのよー!!』
ついに動かしていた手を止めて叫んだ
(冗談じゃないわ!私ココ苦手なのに!!)
「…カノンは、嫌?」
『うぅイヤじゃないけど…!』
横で話を聞きながら作業していたリーバーが口を開いた
「もしかしてカノン、まだアレが治ってないんじゃないだろうな」