story | ナノ







とてつもなくふざけた小話



 忙しさで死にそうだった。
この一週間、バイトに授業に教授のパシリやらで休む暇なんてろくに無かったからだ。ちょっと一休みでも、とコーヒーを淹れた途端にブルブルと携帯が震えだし、仕事を終わらせ、再び休もうとすると〜の繰り返し。
昔馴染みであるアレの不運でもうつったのかと溜め息を吐きたくなるものの今日は久々の安息日、俺のサバート、そんな朝。やっと報われる日が来たようで、目が覚めたら可愛い愛しい麗しの彼女が俺のベッドに潜り込んでいた。
仄かに漂う石鹸の香りに居るのかも知らない神に思わず感謝する。……神様ありがとう。柔らかい女の子のカラダ大好き。
シャワーまで浴びて彼氏のベッドに潜り込むなんてつまりそういうことなのだろう、と下心と股間を連結させた俺はソロリと目の前のミカエルに手を伸ばす。

ふぉお、来たわ俺の時代来たわ。コイツ何も着けてないわこれ来てる俺ツイてる。

「ん……」

彼女は小さく身じろぎするが、ぶっちゃけ起きてても寝てても頂くのは確定済みなので遠慮せずに楽園へと足を(実際には手を)進めていく。

おっ…あ、コイツちょっと太ったかもしんねえけど柔らかくて丁度良いわ。やっぱ女の子は丸い方が好きだな。

世の女性が聞いたらお前は丸いのは乳だけが良いんだろう去れ乳狂いめ。と罵られそうなことを彼女にしでかす。

うはー、そろそろ本格的に頂くか。と楽園の花園へ足を(正確には手を)進めていく──






「なにやってんの留三郎」

見覚えのある天井、と不運の顔。そして虚しく伸ばされた俺の右腕。(ちなみに左腕はクッションを揉むように掴んでいる)
ああ、コキュートスにでも落ちた気分だ。俺はダンテか…なんたって目が覚めたらそこは地獄だったのだから……。

 夢オチかよと悲しい気持ちになるのと同時に可哀想な生理現象に気付いてしまいめちゃくちゃいたたまれなくなった。
昔馴染みの不運こと伊作は憐憫の目で俺を見つめると、溜まってるところ残念だけど……と嫌な予感しかしない言葉を紡いでいった。

「仙蔵がお前を呼んでいたよ」

少し手伝ってほしいことがあるんだって。



よりによってアイツかよ……。
ああ、神よ俺のサバートはいつなんですか…………。
肩を落とす俺に、伊作はポンと俺の肩に手を乗せ、トイレ行ってからね、と良い笑顔でそう言った。

嗚呼、空は青いなぁ…………。







六はの日!おめでとう!