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うとうとうと、先程の休み時間に早弁をしたのが悪かったのか、それとも現国のお爺ちゃん先生の喋るペースのせいか、とにかく私はかつて無い程の睡魔に襲われていた。

ああ…眠いすっごく眠い形容し難い程超絶スーパー眠い。

意味の通じない訳の分からない言葉を頭の中で呟きながら、私は眠りに……


つけなかった。


「――ったあああああ!!?」

突然後の席からの攻撃があって、私は飛び起きた。

「オハヨー、馬鹿。」

なーんてね、と口癖と持ち前の腹黒さを素直に出しながらうしろのクソ揉み上げ野郎はニコニコと笑っている。

コトアールかコトワールかコートジボワールだろうか、何処の国か忘れたけど、サッカーをするためにわざわざ遠い所から留学して来たこのロココ・ウルパ。
恐ろしい事にこの男、性格はとても残念だが、見た目可愛い、実はとっても賢い、おまけにサッカーの腕前もあるときた。

そんなオールマイティーボーイロココ・ウルパなのだが、先程から何度も言う通り性格に難有り、だ。
私を筆頭に隣のクラスの豪炎寺とか半田とか、(私は女だけど)男子ばかりをいじり倒す。

今回だってそうだ、私が寝ようとしたのに待ち針で私の頭のてっぺんをぷっすりと。

ああああああああー…考えただけで痛い。というか痛かった。

不幸中の幸い、この時間クラス全体がざわめいてたせいか私の叫びは綺麗に消えてくれた。悲痛なる天女の叫びは群衆のざわめきに消えた……じゃないじゃないこんな痛々しい事を考えなくても良いぞ私。

とにもかくにもロココのせい…お陰でパッチリバッチリ起きた私は奴に対して小言を言ってみた。
だがしかしまぁ…なんと言うか綺麗に交わされて、ゴメンネーと語尾に星かハートマークが付くんじゃないかって位に苛つく言い方で返してきた。


「はぁああ…もう良いや、昼寝の邪魔なんかしないでよね。」

イラッと来たが仕方無しに相手をするのをやめた。
全くこっちは眠いんだから。
有無言わさずに前に向き直って、再び襲ってきた睡魔に対し私は机に突っ伏し、眠りに…








つけなかった。




「――っいい加減に!!しろっこのクソ揉み上げ野郎!!!」

また頭をちっくりやられた私はキレてしまい、先程とは比べ物にならない位の大声で叫んだ。
授業中、なのにだ。



そう、授業中。



シーンとした教室。

うしろでにっくきロココは小声で「短気は損気ー」と楽しそうに呟いた。

あああ…ロココなんか揉み上げ燃えてチリチリになっちゃえ…。

私はやってしまったー、と頭を垂れた。




―――

企画、WS様に提出

参加させて頂き、ありがとうございました。

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