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あったかいね、とロココは小さく呟いた。

私の比較的小さな手はロココの比較的大きな手に握りしめられていた。

ロココは自分の手が冷たいというが、そう感じるのはただ単に私の体温がが38.5℃って数値を叩き出したせいであって普通、彼は私より体温が高いのだ。

「ロココの方が、あたたかいわ。」

「そんなことない。なまえの方が温かい。」

ぎゅう、心なしか更に強く握りしめられた手。

少しずつ眠気が沸いてきた。さっき飲んだ薬のせいだと思う。

「ロココ、」

「なまえ寝て良いから。」

長年ロココと付き合っているお陰で彼は、名前を呼んだだけで何を言いたいのか理解し、安心しろと言わんばかりに手を繋いでいない方の手で私の頭を撫でた。

「寝たくない。寝たらロココどっか行くでしょ?」


「……ばれた?」

「――ロココ、」

「なーんてねっ、大丈夫だよなまえ。今日は一日ここに居るから。」

そう言ってロココは私の前髪にキスをした。

「本当に?」

「本当。だからなまえは寝ていいから。」

今度は額にキス。

ロココの優しい手が私の意識を溶かしてきて、

「なまえ、愛してるよ。」

私も。なんて頭の中で考えながら私は眠りについた。






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