ユイは思わず目を見開いた。 テーブルの奥にいるのは、真っ赤な洋服を着て、真っ赤な帽子を被り、白いヒゲを口の周りから生やすヒトだった。隣には大きな袋を乗せたソリと、ソリの綱の先には鈴をつけたトナカイ。 これはすばらしいクリスマスだった。ただ、ユイのイメージしたものと少し違うのは、サンタの髪が黒くて、トナカイの鼻が青いことだけ。
「ふふ、本当のサンタとトナカイみたいね、ルフィとチョッパー」 「ほんとに似てるかぁ〜?」 「おいルフィ!お前それを言ったらバレるだろっ!」
ユイのおだてに気をよくし、サンタの正体が自分だとバレることを簡単に言うルフィ。それにツっこむウソップ。チョッパーはそんな2人のやりとりにキョロキョロするばかり。 他のみんなはやっぱり、と言う顔でそれを見ていた。
「ルフィがサンタ役ってことが間違ってたのよ」 「あァ。同感だ」 「まあ、飯にしましょう」
ナミの言葉にゾロが同意し、サンジがテーブルにいつもより更においしそうに見える料理を並べた。
「さ、早くユイも席に着いて。ご飯を食べましょう」
ロビンに促されるまま、ユイはいつもの自分の席に着いた。 「いただきます!」
その言葉で始まった、料理以外はいつもと変わりない食卓。他人の分まで食べるルフィ、彼を怒るサンジ。ゾロは次々と胃に酒を流して、ナミとロビンだけは行儀よく料理を口に運んでいる。 いつもと変わらない、幸せな時間。
「ねぇ、みんな」
フォークを置いて話し始めたユイを、18の目が見つめる。
「ありがとう!今までで最高のクリスマスだよ!」
それを聞いて、麦わら海賊団のみんなは笑顔を見せた。
merry christmas みんなが居れば、それだけで最高!
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