「俺達が生きる意味って、あるのかな…」 佐久間はぽつりと呟いた。俺が首を振ると、佐久間はそうだよな…と唇を噛んで涙を流した。つられるように俺の目頭も熱くなり、自然と同じものが流れる。心にあるのはただ一つ。なぜだろう、なぜ俺達は生きているのだろう。そんな疑問。ぽたぽたとこぼれ落ちる液体は、やがて人の肌の上に落ちる。俺達が見下ろす人間の肌に。 「こいつが死ぬ意味って、あ…」 「あるわけがない!」 つい熱くなってしまい、はっとして佐久間をみる。けれど佐久間はそうだよな、そうだよなと、なにも感じていないように繰り返した。それを見て俺はただ、理不尽さを感じていた。何かを成し遂げるには短すぎる、人の生死の儚さに。 「どうして」 「…げん、だ?」 「どうして」 「………」 |
「源田、もうよせ…」 「俺は…」 「もういいんだ。俺達は悪くない。何も、悪くはないんだ」 佐久間はまた涙を流した。俺達が愛したもの、俺達の生きる意味、俺達の命。それは自ら呼吸を止め、解放された。遺された俺達には、牢獄に身を投じるほかは残されてはいない。眼下に横たわる彼女が、俺達を嘲っているような感覚を覚えた。 |