どうしたら君を、ずっと守っていけるのだろうか。いま生きている時だけではなくて、死んでしまってからも。ずっと。



俺は不安だった。いまの幸せが続くのはいまだけで。俺が死んでしまって天国へ行ったら、君は離れていってしまうのではないかと。雨があがったばかりの空みたいな君だから。ついつい手をのばしたくなるんだ。



けれど俺が、間から見える太陽に触れることは、決して出来ない。その眩しさに、俺の手が醜く焼け爛れてしまうから。



君は毎日が苦しくて悲しくて。どこに幸せがあるのかわからなくて。俺がのばした手を触るのを恐れているってことは知っていた。それなのに、俺は君を困らせる。好きだから仕方がない?そんな話ではない。愛しているのに、愛されないことが嫌なだけだ。



こんなふうに情けなくて、こんなふうに醜くて、こんなふうに我が儘な、俺がいったい誰に好かれるというのだろうか。君が笑うだけで嬉しいのに、それ以上なにを求めるというのだろう。俺がそう聞くと、君は薄く笑った。










どうしたら君を、ずっと支えていけるのだろう。いま生きている時だけではなくて、死んでしまってからも。ずっと。



私は不安だった。いまの幸せが続くのはいまだけで。私が死んでしまって天国へ行ったら、君は離れていってしまうのではないかと。雲一つない空の、太陽みたいな君だから。ついつい手をのばしたくなる。



けれど私が、その太陽に触れることは、決して出来ない。その眩しさに、私の手が汚く焼け焦げてしまうから。



君は毎日が寂しくて切なくて。どこに幸せがあるのかわからなくて。私がのばした手を触るのを恐れているってことは知っていた。それなのに、私は君を困らせる。好きだから仕方がない?そんな話ではない。愛しているのに、愛されないことが嫌なだけ。



こんなふうに情けなくて、こんなふうに汚くて、こんなふうに我が儘な、私がいったい誰に好かれるというのだろう。君が笑うだけで嬉しいのに、それ以上なにを求めるというのか。私がそう思っていたときに君に聞かれ、少しおかしいなと感じてしまった。










俺たちはお互いのことを思うあまり、自分自身を否定していたんだ。俺は俺で、君は君。そんな単純なことすら、忘れてしまっていた。


「俺はお前に、これ以上何を求めたらいいんだろうな」


そう聞くと、なまえは少し困った表情で笑い、俺を見上げた。


「………全部」

「えっ?」

「私は幸次郎にだったら、全部あげてもいい。…命だって」


なまえはしばらく考えてから、そう呟いた。俺はなにか信じられない気持ちで、その場に立ちすくむ。あぁでも、俺が求めていたのはその答えなんだろうなと、思って。もちろん俺も君に全てを捧げるよ、なんて言葉を、陰りない心で伝えることができた。




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