なんて幸せなの。 そう思っている自分に笑ってしまう。だって本当に幸せだから。今まで生きてきて、ここまで幸せになれることなんてなかった。幸せだなぁ。自然にこぼれる笑みに抗わず、笑う。しばらく笑っていたら、お部屋にある扉が音をたてた。 「おはよう、なまえ」 彼だわ。私のいとしい人。彼がやっと来てくれた。こうじろう、こうじろう。私が名前を呼ぶと、彼はうれしそうに微笑んだ。 「昨日の夜も大人しく眠っていたな」 そうだよ、こうじろう。 偉いでしょう。 「あぁ偉いな…」 こうじろうが褒めてくれた。嬉しいよ、こうじろう。だけど私が手を伸ばしても彼はいやそうな顔をするだけで、繋ごうとはしてくれなかった。こうじろう、どうしてなの? 「…俺とお前はまだ幼いから。今、お前に触れたら、止められなくなるから。好きだから、愛しているから。大切にしたいから。お互いに責任が取れる歳まで、触れられないんだ」 そうなの、ありがとう。こうじろう。 「いや、お前が幸せならそれでいい。俺はお前といられるだけで幸せだから。だからお前はその日まで、ここにいるんだ。ここなら安全だからな。ずっと護るから」 他の何にも毒されないように。 だから私を閉じ込めるのね。 この愛のどこに幸があるの? → |