※ジャイボ死亡直前


ゼラを愛していた。いや違うかな、今も愛しているんだよ。何よりも愛して何よりも尽くして何よりも一番に思っていた。一般的な言葉で云えば愛、前にゼラが云っていた難しい言葉を使うと男色なんだって。まぁつまり僕がゼラを愛しているって事なんだよ。だからみんな殺した。根暗でうざかったカネダも僕のゼラに纏わりついて邪魔だったニコも、反逆したタミヤだってみーんな殺した。だから最後に消すのはあのカノンって女だけ。あいつは僕からゼラの心を奪ったんだ死んで当然だよ。だから殺すんだ、僕の手で、ゼラの目の前で。


「やめろっジャイボ!その子は」
「随分と真剣になるんだね」


僕が女に硝子を突き立てる度、ゼラがあんまり必死そうな顔をするからそれが余計に不愉快になった。そんなにこの女がいいの?だけどこの女は君をこれっぽっちも想っていないし頭のネジが緩んだ変な奴としか思ってないよ。でも僕は君を想ってるよ一番に想ってるよ。それなのにこの女がいいのなんでどうしてさ。僕が美しくないから?大人になる程醜くなっていく僕はもう好きじゃない?女の方がいい?僕が男だから?それでも僕は君を愛していたのに。僕だけを見てて欲しいんだ。こんな女なんかじゃなくて僕だけを見て欲しいのに。


「愛してる、愛してるだ…ゼラ」


小学生の頃からずっと君を見てきたのに、君はそれに気付いてくれていた?僕が光クラブに入った理由なんてないんだよ。ただゼラといたかっただけなのにそれが全てだったのに。君は僕が裏切り者だと知った時すごく驚いたよね。きゃは、どうして今まで気付かないの。僕はいつも君の傍にいたのに。こんなに近くにいたのにね。もう戻れないのかな、もうゼラに愛してるって云ってもらえないのかな綺麗って云ってもらえないのかなキスしてくれないのかな。ゼラは気付いてくれていたかな僕の心を止められたのは君だけだったのに。

必死にゼラに向かって叫んだよきっと届くって思ってたから。硝子を持つ手に力がこもって手からは真っ赤な血が流れ出る。もうみんな殺しちゃおうかな。そんな風にも思ったけど心のどこかでもうゼラには届かないんだろうとわかっていたんだ。だから最後にもう一度ゼラに愛してるって云ってもらいたかったけど、気付いたら頭にすごい衝撃があってすごく痛くて顔も首も背中もみんな痛くてゼラって呼ぼうと思ったのにその時にはもう何もわからなくて、僕の視界はただただ真っ暗だったんだ。


視界がぱちん!

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