▼ 柳と赤也 赤也は可愛い。 あのふわふわした黒髪を揺らしながら俺の元に笑顔で駆けてくる赤也を見ると、そのまま腕の中にがっちりキャッチしたくなる。がっちりキャッチのネーミングセンスはさて置き、何度も言うようで恐縮だが赤也は可愛い。どこが?と聞かれたらあえて言おう、全てだと。この柳蓮二、密かに赤也専用マル秘ノートという物をつけている。マル秘ノートには赤也の好きな物、体重、身長、1日のスケジュール、弁当の中身、使っているシャンプー、小遣いを貯めて買おうと狙っているゲーム、苦手な物、攻められると弱い所(もちろんテニスでだ)、など様々なデータが記してある。ちなみに俺のデータだと、この後赤也が俺の背後に回り込み、いきなり抱き付いてくる確率99%。 「やーなーぎせんっぱいっ!何やってるんスか?」 ほら、可愛いの来た。 やはり俺のデータには寸分の狂いもない。正確だ。 「せっかく遊びに来たんですから、読書ばっかりしてないで少しは構って下さいよー!」 そう言いながら口を尖らせて拗ねる赤也。これだから赤也を焦らす事はやめられない。赤也は焦らされると待てない、我慢できない性格だ。例えその状況がどれだけ羞恥を伴う事でも例外ではない。例えば、こんな風に。 「すまなかった赤也」 「んもう、謝らなくていいっスから構って下さいよ〜!」 「…そうだな、赤也が自分から俺にキスしてくれたらその先をしてやろう」 「え?……えええぇええっ!!??」 「ディープな奴をな」 「ディ…、ディープな奴って……恥ずかしいっスよ…」 「しないのか?」 「……柳先輩は意地悪っスね」 「何とでも言っていいぞ」 「もう…!」 何だかんだ言いつつ、顔を真っ赤にしながら馬乗りになってキスしてきた赤也に、俺の理性がぶっ飛ぶまであと10秒も掛からないだろう。本当に可愛い奴だ。切原赤也は。 (恋は変に似ているね!) 20111223∇20:38 〇 |