過去拍手 | ナノ





恋物語パーティ編 ダンス中の会話・4〜6





◎四番手・雨月





『雨月はパーティでも狩衣なんだね』

『今回はキャバッローネ主催でござるから。同盟関係でないファミリーの主催ではスーツを着るでござるよ』

『見てみたいなぁ雨月のスーツ姿』

『私としては着物を着ているところを見てみたいでござるよ。はい三、二、一』

『まわるっ。…ふぅ。 着物って、私の?』

『そうでござるよ』

『浴衣くらいなら仕立てられると思うよ』

『是非見せてほしいでござる』

『じゃあ皆の分も作って、納涼会でもやろうよ』

『それは楽しそうでござるなぁ』

『私流し素麺がやりたいなぁ』

『? ながしそうめん、とはなんでござるか?』

『え?あぁ、えっとね…(流し素麺っていつできたんだろう?)』





 日本文化に触れたがる日本人二人。





* * *





◎五番手・G





『飯は食ったか?』

『ジョットが持ってきてくれたのを一通りいただいたよ』

『何が美味かった?』

『牡蠣のシャンパン蒸しが美味しかった。あと車海老のポワレ。あれGのレシピでしょ?』

『…おし、回れ』

『否定しないってことは肯定だよね?』

『うるせ。気に入らなかった料理はあるか?』

『鴨が少し火が入りすぎてたかなぁ。あと鶏のコンフィがニンニク控えめだったのは女性同伴のパーティだから?』

『そういうことだな。あと、時鮭のロースト、少し気にならなかったか?』

『そうだね、スズキの方が良かったんじゃないかな。ていうか、フランス料理ばかりだね』

『あぁ。キャバッローネの意向でな。…パスタが食いてぇな』

『帰ったら作ろうか。トマトソースたくさん作ったから、摘みたてのバジルをたくさん入れて、モッツァレラと…』

『ああくそ言うな。腹が減る……って、あ?』

『ん?え?、あれ?まだ曲終わってないのに、何で皆ダンス止めちゃうの?』

『誰かさん達の会話の所為で皆料理に直行だものね…』





 周囲の腹を減らす料理好き二人。





* * *





◎六番手・ナックル





『うおっ、すまん!』

『あっ、ごめんなさい!』

『………すまん。人にぶつかってばかりで』

『ぶつかってないよ。寸でのところで避けてるから、大丈夫だよ。あ、回ろ』

『う、うむ…。しかしやはりこういうのは苦手だ』

『うん。私も苦手…。だったら無理して踊らなくてよかったのに』

『いかん!それは究極にいかんぞ!』

『えぇぇ!?なんで?』

『皆お前と踊ったというのに、俺だけ踊らぬなど…寂しいではないか』

『ッ…!』

『お前が初めてパーティに出たのだからな。ダンスは苦手だが、一緒に踊っておきたいではないか』

『ナックル…ッ』

『お前も苦手なのに究極我儘を言ってすまんな』

『い、いいの!…あの、ナックル』

『ん?』

『楽しいね!』

『うむ!』





『堪えろプリーモ。あれは天然のなせる業だ』

『わかっている。………わかっている』





 思わぬ伏兵。
(prev : top : next )



- ナノ -