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プリマヴェーラ対策室 2

プリマヴェーラ対策室・5日後





『お、終わった…』

『眠い…』

『手が痛い…』

『おい動かないやついるぞ』

『ほっとけ、起こす体力も惜しい…』

『ちょ、電話鳴ってる。お前取れよ』

『もう電話なんか触りたくない……はい、こちらプリマうおおぉボス!?』

『はっ!?』

『はっ。はい、え? いいえ大丈夫です! 本当です! すべて資料室に移し終えております。はい? はっ、はいもちろん! ユキ様のおにぎりに誓えます!』

『おにぎり?』

『え、何おにぎりって』

『今戻った…っと何を騒いでいる?』

『あ、ダンジェリ様。今ボスからお電話があって、プリマヴェーラに関する書類があったら全部いますぐその場から消し去れと』

『ボスが? まぁすべて破棄か資料室への保管を終えているから問題ないが、なんでまた』

『わかりません。それだけをものすごい勢いで確認したがっておいででした』

『究極に入るぞ!』

『こんにちはー』

『ナックル様! ユキ様!?』

『皆さんお疲れさまです。極秘任務が終わったって聞いたから、ナックルに頼んで連れてきてもらっちゃいました』

『俺も究極な本部への用事があったからな!』

『隣の部屋に簡単な食事とお茶を用意してあるから、よかったら食べてくださいね』

『ユキ様、こちらにいらっしゃることをボスには…』

『みんな忙しそうだったから、出がけにテオに伝言を頼んできたの』

(だからだ)

(だからボス焦ってたんだ)

(縁談書類隠滅指示の電話だったんだ)

(ユキ様に見られるのを阻止するつもりだったんだ)

『うるさいぞお前たち、ユキ様のご厚意を頂戴してこい』

『『はっ』』





『リナルドさん』

『はい。ユキ様』

『任務の内容は知らないけれど、ジョットもGも、守護者のみんなも、とても感謝してたよ』

『もったいないお言葉です』

『今日はゆっくり休んで、でもリナルドさんは警備班にいてくれた方が嬉しいから、また明日からは屋敷に来てくださいね』

『っ……ユキ様のお心のままに』








 警備班長の春はまだまだ終わらない。





 そのころ、隣室でプリマヴェーラ対策室のメンバーが叫んだ。


『おにぎりサイコーッ!!』





* * *


意外と好評だったので続きを。
頑張ったリナルドにご褒美です(笑)


 

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