デイドリーム ブルー デイ 1
デイドリーム ブルー デイ
【アナタはこの世界では異端分子です。従って、本当の世界にお返しします。】
は?
「ユキー。お昼行こうよー」
「あ、うん。行こう!」
友人の声に、慌ててテキストを鞄に突っ込んで立ち上がる。
机と机の合間を縫って歩きながらメール画面のままの携帯をもう一度見るが、先ほどと変わらない、不可解な文が表示されたままだ。
軽く眉を寄せて友人の元へと駆け寄ると、不思議そうに見返される。
「どしたの?変な顔して」
「変な顔って言わない。…ん、なんか変なメールきてた」
あー、うざいよね迷惑メールって、と納得したように返されて、曖昧に頷く。
たった一行の、URLの羅列もないメール。
アドレスも知らないものだったし、大学にも地元にも、こんな悪戯メールを送る友人はいないはずだ。
横を歩く友人に、メールを見せて笑い話にしてしまおうかと思ったが、なぜだかそれをしてはいけないような気がした。
(次の講義の間にでも、アドレス変えよう)
そう心の中で決め、階段を降りようとした途端、ぞく、と悪寒が走った。
足がもつれ、階段を踏み外す。
あ、と口があくが、声にはならない。
がつん、と頭を打ち付けた時には、もう何も認識できなくなっていた…。
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