▼絶対女王政下
「おい、何してるんだ?」
思わず声が揺れる。目の前でウシガエルの死骸に電線を繋げてる子供を見たら誰だってそうなるだろう。おさげの子供…ナマエはツンと顔を上げて俺を五月蝿そうに見上げた。
「見れば分かるでしょ、夏休みの自由研究よ」
電流計から電気を流せば死んだウシガエルの脚がビクビクと動く。小学生の自由研究にしては趣味が悪いその光景にうへぇと顔を顰めた。
「こんなちっぽけなカエルじゃあつまらないわ。ねぇイルーゾォ何か死骸持ってない?」
「持ってるわけねぇだろ」
「あっそう。じゃあホルマジオに猫の死骸が無いか聞いてくれない?昨日一匹轢かれて死んだとか言ってたから」
「なんで俺が…、」
「鏡に引きこもるくらいなら動きなさいよ」
ウシガエルを内臓が出るまで握りしめられながら言われて、思わずうんと頷いてしまった。この餓鬼いつか覚えてろよ…!
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