【捜査官ブラックモアの話】

すいませェん…大統領直属の捜査官である身としてはこの事件に関しては情けない気持ちで一杯です。
ただの殺人事件ならば自分の管轄外でした。それならば警察や保安官に任せておけば良いのですが、被害者が官邸の衛兵で、加えて目撃情報で被害者がマジェント・マジェントとナマエと口論していたというから黙ってはいられません。
……あ、はいィ、そうです。マジェントもナマエも大統領が直々に雇用されたスタンド使いの人間です。私とは同僚にあたるわけですね。……そうですね、お二人とも身分も素行も…失礼ながら決して良いとは言えませんが、戦力としては申し分ない人材ですから大統領も彼女らを引き抜かれたのでしょうね。

話を戻して構いませんか?
一人ずつ取り調べをしたところ二人は揃って男を殺していないと供述していました。男に関しても“官邸の衛兵なんて全く知らなかった、全く見に覚えがない”と。
そして店を出てから二人に話しかけ、路地裏に誘ったのも男の方からだったそうです。しかし二人は相手にせず、うまく断って逃げた。マジェントもナマエもその後は真っ直ぐ宿舎に帰ったそうです。それに関してはメイドが帰ってくる二人を目撃しています。
えぇ、最初は取り調べた私も怪しいとは思いました。話ができすぎてる。
けれどすぐ仕立て屋の店主が自首しに来たんですからね…。
人の良さそうな男でしたが、まさか殺人未遂の前科があるなんて思いませんでしたよ。 現場から見つかった45口径コルトも彼の家にあった物だと分かりましたし、店の界隈では度々射殺された犬や猫の死骸なんかが見つかってたみたいです。
“仕立て屋として真面目に更生しようとは思ったものの、殺人衝動が抑えられなかった”。だから殺した。
…人間ってのは見てくれだけじゃあ分からないものですねぇ。(含みのある微かな笑い)

一時はどうなるかとは思いましたが安心しました。同僚の無罪が証明されて。
しかしあのメス猫共……失礼、マジェントとナマエにはもう少し大統領の部下としての自覚を持って行動してほしいですね。
大統領も楽しみにしてらっしゃる待ちに待ったスティールボールランレースも控えていることですし…。(物憂げな嘆息)
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