部屋じゅう薔薇をしきつめて

※女体化百合
※メイド夢主
何回ノックをしても返事が無かったので部屋に入ると博士はまだご就寝でした。彼女は私の中の三大お寝坊さんの一人です。
布団に潜ってすやすや眠る30代後半の美少女を見ていると、起きている時の猛獣のような気性の荒さは嘘みたいに思えます。
しかしわたくしが一声、「朝でございますよ」という呪文を唱えると幻想は打ち砕かれます。博士はすぐに飛び起き、ぎゃあっという顔に似合わないガサツな悲鳴をあげて(ひどい時はわたくしの腹にパンチを叩き込み)布団を頭まですっぽり被ってしまいます。
「朝はノックしてから入れと何度も言っただろうがこの阿呆!!」
「しましたよ、何度も」
博士は寝起きを見られるのが何より嫌いです。何故ならすっぴん顔を見られるのが嫌で嫌で仕方が無いからだとか。
「それにわたくし、まだ博士のお顔見てませんよ」
鼻まで布団を引き上げて、目だけで私を恨めしげに睨みつけてくる博士にほほ笑みかける。
「…本当か」
「本当です」
「…なら良い」
「朝食はパンですが」
「フレンチトーストが良い」
あとコーヒーはミルク多め砂糖はいらない、それから今朝の新聞も。
布団で顔を恥ずかしげに隠しながらも要求に容赦がないのは毎朝のことです。
わたくし、彼女の自己中心的で我儘なところが可愛らしくて仕方ありません。
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