夏の世

あなたは『自分を平気で代償にしてしまうことを叱られる』ブラックモア♀のことを妄想してみてください。
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*女体化百合
彼女の瞳には私は映っているんだろうか。時々そんなことを思って、考えて、勝手に絶望する。答えは既に出ているというのに。
彼女…ブラックモアは仕事でよく体に傷をつけてくるし、よく知らない人間と寝る。男でも女でも、それが我が愛すべき母国アメリカの糧になる有益な情報を引き出すためならばと彼女は何の抵抗もなく身体を明け渡す。
きっとブラックモアの見る世界にはこの国と遺体と大統領と、それからキリスト様のことしかいないんだ。自分自身ですらいないんだ。
そう理解して、私はいるかもしれないなんて驕り高ぶった考えは馬鹿馬鹿しいと悟る。
「ねぇ私とヤッてよ」
「はぁ、いいですよ」
無理やり組み敷いたというのに、幸薄そうで色白の顔はいつもと何も変化がない。僅かな嫌悪とか拒絶の色を見せることを期待して、黒目がちな瞳を覗き込んだが、そこにはがらんどうの闇だけが広がるばかり。
ブラックモアの“世界”を確かめてやろうという私の努力は虚しく終わって唇を噛み締める。
「…どうして自分をそうやって平気で犠牲にできるわけ?」
何とも言えない怒りがこみ上げてきて、思わず彼女の肩を拳で叩く。涙が出そうになってぐっとこらえたが、「馬鹿じゃないの」とか「アタマおかしいわよ」とかボキャブラリーに乏しい台詞しか出てこない。
ブラックモアはそんな私を未知の星の生き物を見るみたいな感じで見上げて首をひねる。ああもう本当にもうこの女の息を止めて楽にしてやりたくなるわ。
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