まつげの隙間をうずめるように恋をした

あのさぁペッシ。
「兄貴ってさ、かっこいいよね」
息を潜めて隠れているナマエが小声で呟く。ナマエの丸い瞳の視線の先には銃を構えてターゲットを待つ兄貴が立っていた。うん、確かにかっこいい。
「兄貴がかっこいいのは当たり前だろ。今さら何言ってるんだよ」
肩を小突いてそう言ってやったが、ナマエはどこかぼーっとしていて「そうだねぇ」と返すだけだった。目だけは相変わらず兄貴を見つめていて、爛々と輝いている。
これは、あれだろうか。恋する乙女、というやつなんだろうか。兄貴はイケメンだから女にモテる。うちのチームの中ではからかって「初恋キラー」だなんてクサい呼ばれ方をすることもある。ナマエはまんまと初恋を奪われたんだなぁとしみじみ思った。
瞬間、ズガァンというつんざくような銃声と共に兄貴がターゲットの男を撃ち殺す。同時に隣のナマエが大げさに肩を跳ね上げるもんだからやれやれと嘆息するしかなかった。

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