先程から全然寝付けない。
あれからどのくらい時間が経ったんだろう。
こうして窓から景色を眺めているだけなのに全然飽きない。
外は青白く、もうすぐ陽が昇りそうだ。

部屋のカーテンの他に、陽を遮るビニールのようなものも付いている。
それをおろした。

しばらくすると陽が昇ってきた。
久しぶりに朝を見る。
両親の部屋のドアが開く音がした。
母が朝食を作る時間だろうか。

朝に見る海は綺麗な青だ。

ふと家の近くの小さなバス停に目を向ける。

(あ、またあの人だ・・・)

バス停には派手な赤髪でテニスバッグを持った、私と同じ年くらいの男の子がいた。
こうして朝まで起きている時にたまに目にするのが彼だ。

私と同じ学校の制服。

そういえば、最後に学校に行ったのはいつ頃だったっけ・・・───。

そんなことを考えていると赤髪の彼の他に、綺麗な銀髪の人と天然なのか、黒髪の男の子も見えてきた。
2人共テニスバッグで同じ制服だ。

しばらくその3人を眺めていると、自然と顔が綻ぶ。
黒髪の子がバス停近くの自販機に向かって何やら騒いでいると、赤髪の子と銀髪の子が呆れたように、だけどどこか楽しそうに宥めていた。

(先輩と後輩・・・なのかな?)

やがてバスが来て3人共乗り込む。

久しぶりに学校に行きたい。
そう思った。
別に行けない訳じゃない。
行こうと思えば行ける。
だけど・・・───。

玄関に描けてある紫外線対策用の服を思い出す。

・・・・・・あんな格好、誰にも見られたくない。

そろそろ眠ろうと思って、いつものように押入の中にある布団へと潜り込む。

両親は既に仕事へ向かったのだろう。
1階がさっきよりも静かになった。

ピンポーン

眠りかけていた意識が現実に戻された。
気怠げに玄関へと向かった。

この時間帯に来るのはきっとアイツだ。


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