久しぶりに練習を休んだ。
三年はもう引退してるから別に強制というわけではないが、それでもどこか後ろめたい気分だ。
「あれ?丸井先輩じゃないっすか」
今一番会いたくないやつに会っちまった・・・。
「図書館の前で何してんすか?まさか勉強っすか!?丸井先輩でも勉強なんてするんっすね!」
「べ、別になんでもいいだろい!俺だって図書館くらい行くっつーの。・・・で、赤也・・・練習は?」
「それが・・・寝坊しちまって・・・」
「お前の苦手な真田に怒られるぞ?」
「あーもうマジ勘弁して欲しいっす。こうなっちまったら今日は丸井先輩に付き合うっすよ!」
なんでそうなるんだ・・・。
「お前は早く部活行けよい!」
「いいからいいから、んで、何か本でも探すんっすか?それとも本当に勉強っすか?」
「・・・・・・本探しだよ」
「うわー・・・、丸井先輩が読書とか想像できねぇ!」
そう言ってコイツは笑い出した。
本当に失礼な後輩を持ったもんだ。
「俺も手伝ってやりますよー」
もう何を言っても着いてくる気だろう。
俺と赤也は図書館に入った。
エアコンが利いていて涼しい。
「何を探せばいいんすかー?」
「・・・・・・皮膚病とか・・・そっち系の」
「は・・・?りょ、了解っす」
変な顔をされながらも赤也は俺が言った通りの本を持ってきた。
貸し出しカードに記入して外へ持ち出す。
「何でまたそんなものを?」
「・・・・・・色々あんだよ」
「まぁ別にいいっすけど・・・。今度話してくれれば」
「何で必ず話さなきゃいけない流れになってんだよい!?」
それから赤也は練習に行くと言って駅前で別れた。
家へ帰ってひたすら本を読みふけった。
こんな姿、絶対あいつらでも想像できねぇだろうな・・・。
・・・・・・蓮二はわかんねぇけど。