Girlfriend

「ねぇ、雅治。部活終わるまで待ってるから〜、一緒に帰りたい」

仁王の前に化粧の濃い女子生徒がやってきた。
私の席は仁王の隣だから、彼女がつけている香水の匂いがこっちまでくる。
彼女は三日前に仁王と付き合いだした子だ。

「ああ、ええよ」

仁王はダルそうに答えた。
彼女はその返事を聞くと嬉しそうに仲良しグループの元へと戻っていった。

こいつら続かなそう・・・。

『よくあんな子と付き合えるね。ケバいし香水キツイし・・・。仁王は清楚な子のほうが合うんじゃない?』

隣に座る猫背の銀髪男に嫌みったらしく言ってやる。

「向こうから付き合って欲しいって言ってきたんじゃ。ただのきまぐれじゃき。どうせ続かん」
『あの子可哀想』
「思っとらんくせに」
『まぁね。ざまぁみろ』
「お前さん、女なんだからもうちょい上品にしんしゃい」
『はいはい』

軽く受け流して頬杖をつき、窓の外へと目を向ける。
あと少しで昼休みだ。
次の授業サボろっかなー。

「なぁ、次の授業一緒にサボらんか?」

・・・・・・コイツから誘うなんて珍しい。

『どういう風の吹き回し?』
「こういう風の吹き回し」
『・・・・・・・・・』

そのまま二人で屋上へと向かう。
教室から出る時にあの女子生徒に睨まれたような気がした。

頬に当たる風がすごく気持ちいい。

『ねぇ、あの子と付き合うのやめなよ』
「おん」
『仁王と釣り合わないよ』
「おん」
『・・・・・・私にすれば?』
「・・・・・・・・・」
『私といればきっと退屈しないよ?』
「・・・・・・名前、ちょっと待ってんしゃい」
『・・・・・・?』

仁王は屋上から出て行った。

どのくらい待っただろうか、既に授業は終わっており昼休みになった。
なんとなく教室のほうに目を向けると、あの女子生徒と仁王が窓際で話し合っていた。
彼女のほうは顔を真っ赤にして泣いている・・・。

ああ、そういうことか。

人の不幸を喜ぶなんて、自分はなんて性格の悪い人間なんだろう。
自然と顔が綻んだ・・・。

(Hey hey you you)
(I could be your girlfriend)


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